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『そ、れは…』
まさかと言う風に花京院を見つめるとうなずきが返ってくる。ついに、か。
いや、私だって花京院が言う考えがなかった訳じゃあない。
なんなら旅が半分を過ぎた辺りから頭にそれはよぎっていた。
けれど実際にそのシチュエーションが来るとなると不安がわきでてきた。
「どうだろうか、君は」
お互い探り探りで妙な緊張感が場を支配する。
すると花京院が念を押すかのように聞いてきた。
きっと、彼も断られないかどうか気掛かりなんだろう。
『私も、花京院と話してるのは楽しいよ？
けどまだ色々恐れ多くて…私でいいの？』
不安げに花京院の顔を覗き込む。
今の感覚は幼い頃から憧れていた俳優といざ対面するとなったときの感覚に近い。
嬉しいが、その反面心が不安定になり会うのを拒否してしまうようなそんな気持ち。
長年の夢をを目の前にするとどうにも臆病になってしまう。
うじうじと迷いを断ち切れないでいる私の背中を押すかのように言った。
「君じゃなきゃダメなんだ！」
『___っ！』
その力強い一言からいかに本気なのかが伝わってくる。
…いいのかな。つい力を入れて拳を握った。
『じゃあ、改めてもう一回聞いていい？
…本当に私でいいの？』
「ああ」
放課後の校舎裏の雰囲気と近しい空気が教室に流れる。
迷いを見せず頷く彼はさっきの私に負けず劣らず体を強ばらせていた。
息を深く吸ったり吐いたりして緊張を紛らわす。
花京院は確かな意思を瞳に宿らせ、意を決してこう告げる。
「僕と、友達になってくれませんか」
“友達”
それは長年の憧れで私から最も遠い場所にあったもの。
小学生の私にこの状況を見せたら四月馬鹿だと疑わないだろう。
花京院からの申し出はすごく嬉しい。しかし一つ問題がある。
花京院の初めての正式な友達が私でいいのか、だ。
私が友達第一号はさすがに優遇されすぎなんじゃあないか？
ごちゃごちゃとそんなことを考えているとふと花京院と目が合った。
表情も様子も真剣そのもので私の返答を固唾を飲んで待っている。
…断るのは、お門違いって奴だ。
『ねぇ花京院、提案があるんだけど』
緊張で声がうわずりながらも心配そうな彼の目をしっかりと見て告げた。
『友達じゃあなくて親友っていうのはどう？』
一世一代の提案に今まで以上に不安や緊張が高まる。
だがワンテンポ遅れた花京院の声はどんな薬にも勝る安心感を持っていた。
「それ、すごくいい」
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酸性雨の１つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (
レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の１つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います！ (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の１つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです！申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか！！ できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛸山葵 | 作成日時：2023年8月28日 23時
