【ジョジョ】スタンド使いと遅めの青春

KF5 ページ29

『そういえば、花京院って人操れるの？』



昼食時間に紙パック式のジュースを右手で持ちながら、在りし日の記憶を辿る。
序盤で保険医を操ってたような気がするがそれ以降同じ技を使っているのを見かけない。

エメラルドスプラッシュとかは引き続き普通に使ってるのになー、と。


結構前の話になるが、花京院は分が悪そうに目をそらしてこたえた。


「ああ、あれか…操れなくはない、けど保健室の時は肉の芽で操られていたって言うのもあるし。
それに無関係の人を巻き込んでしまった技をもう使いたくはないから封印って形になるかな」


『そっか』



返ってきた言葉に安堵の意味を含ませ軽く笑う。
さすが、花京院は色々考えてるんだな。



「にしても、なんで急にそんなこと聞いたんだい？」



しみじみした気持ちでパンをかじると、今度は花京院に質問を返される。
租借を終えて首をかしげている彼に向かい赤裸々にこう告げた。



『人体に潜む系の能力だと私と被るなって思って』


「思いの外不純な動機だったよ」



確かあのときはハイエロファントを紐状にして潜り込んでいたはず。
私の場合埋め込んだ種子から人体に潜入するし内部攻撃系は…ね。

ただでさえ対抗馬にラバーズがいるので確認は重要だと思うよ。


ナーヴは神経を操る能力に特化したスタンドなので多彩じゃあない。
外見がダイオウグソクムシだから殴ることもできないので十八番をとられちゃあおしまいだ。

ステータスを分かりやすく表すならスピードと精密動作A、破壊力Eと言ったところか。



『もっとできること増やせたらいいんだけどな』


「んな悩まなくてもお前のスタンドは十分敵に有効じゃあねえか」


『そうなんだけど』



途中承太郎のフォローが入ったがいくら褒められようとピンとこず。
もし不意打ちで殴りかかられた場合対抗手段がない、というのも問題点だ。



『スピードと正確さ、そしてパワーと言ったらスタープラチナでしょ？
それで攻撃から敵の動きの感知まで応用がきくのがハイエロファントグリーン。

そこに神経操作のナーヴ・アットウィルって並べたらどうしても芸が少なく見えるんだよね』


「今のままでも言いと思うけどな」



合いの手を他所に今までであったスタンドを思い浮かべる。

他のスタンドになくてナーヴにだけあるもの。
頭を捻らせていると天恵とも言える解答が降ってきた。



『わかった！可愛さだ‼』



自信満々の私に花京院が吹き出すまで、五秒前。

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