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「はぁ〜わかったわかったわかった。
ボクも熱くなりすぎた」
鏑木が呆れたように長く息を吐いてからくしゃっと前髪をかき上げる。
相手が平常心になったのに伴い余裕を取り戻したのか締め付ける力も弱くなった。
「けどさ、考えてもごらんよ。
Aがいくら反抗しようとこの状況は変わらない。
君は手も足も出ないというのに状況打開なんて夢のまた夢、なんならボクの納得いく答えが出るまで痛めつけることもできる。どう?どこか思い直したところは?」
『それ脅し?』
「さあね」
彼が埒が明かないと察して武力行使に躍り出ようとする。
まだ鏑木のスタンドの全貌は掴めていないが今までの行動を見るあたり、使い慣れてなさそうだ。
そして推測するに鏑木のスタンドは木を操るもの。
体に絡みついている木の幹のようなものは木の根かな。
鏑木の様子を見る限り全く落ち着けていない上に一線を越えようとしているのはスルーできない。
DIOの腹心でも残党でもないことも目的も理解できた。
鏑木が好きなのは私の瞳、逆に言えばそれ以外はどうでもいいわけで。
「けどけど、脅されてもおかしくない立場にいるのは忘れない方が『ねえ、こんな言葉知ってる?』
このままだと本気でなにかされそうなので、彼を止めるためにも挑戦的に言う。
『相手が勝ち誇ったとき、そいつはすでに敗北している』
それがなんだと言わんばかりの目つきで軽く睨んでいる鏑木の足元から、私のスタンド「ナーヴ・アットウィル」が顔をのぞかせた。
彼がどこか異変に思った時、その時スデに攻撃は終わっているんだ。
「!!」
『ブロットアウト』
花京院のエメラルドスプラッシュやアブドゥルさんのクロスファイヤーハリケーンと比べると華やかさに欠けるが、効果は抜群のようだ。
俯せで倒れて鏑木が存在を確かめるかの如く掌で地面をなぞる。
「こ、れは…?」
呆気にとられた表情で口を動かした彼からはもう先ほどの攻撃性は感じられずにいた。
私の能力は敵を鎮静化させるのに役立つからこういうときには便利だよ。
形勢逆転といったところか、淡々と鏑木に告げる。
『放置するのもなんだし教えてあげる。
私のスタンドは神経を操り“五感”を消すことができるスタンド。
あらかじめ対象に種子を埋め込まないと発動できないんだけどありがとね、熱く語ってくれて。
…って聞こえてないか』
無駄な独り言を漏らした私を叱るように、ナーヴが少し鳴いた気がした。
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酸性雨の1つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の1つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います! (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の1つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです!申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか!! できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛸山葵 | 作成日時:2023年8月28日 23時