計算通り ページ18
『勉強が分かりません』
「…おう」
承太郎にクラスと廊下の境目で告げる。
三年生の教室、周りのざわめきが気にならないくらい危機的状況に陥っていた。
やはり五十日のブランクは大きく地理歴史の小テストが悲惨な結果で帰ってきたのが一時間前のこと。同学年の花京院だと気が引けて学年が一つ上の承太郎に助けを求めたということだ。
『いい暗記方法とかある？』
「花京院にききゃあいいだろ」
『よ、学年一位！』
「……」
乗り気でない様子に少しの茶化しを入れると、どこで漏れたのかと言わんばかりに眉間にしわを寄せる。
この世には留年という制度があり出席日数が足りなかったり成績が悪かったら進級できない。
なぜ不良で学校をよくサボっていた承太郎が三年生になれているのか？そういうことだ。
『アドバイス程度でいいから！』
「鎌倉幕府発足は？」
『え？』
「ン」
諦める気はなく食い下がっているといきなり問題が飛んできた。
驚いていると答えろと言わんばかりに目で圧をかけてくる。
『１１９２年…？』
「正解だぜ、そんだけわかってんなら大丈夫だ」
『ちょっと待ッタァッ!!』
恐る恐る答えると扉を閉めようとしたので、慌てて足を隙間に滑り込ませると激痛が走った。
１９５cmの握力恐い、このまま足に痣ができそうなパワーだ。
しかし変な対抗心がここで燃え承太郎と同じように手をかける。
「おい、ここで引き下がった方が身のためだぞ」
『舐めてもらっちゃあこまるよ。
これでもフィジカルは強い方なんでね。
今の私は何をされようと動かない！』
どれだけ私の地歴が大変なことになっているのか。
それを伝えるためにも大きく宣言して覚悟を表明した。
「応仁の乱が始まった年は」
『えー？と…１４６７年！』
「なら関ケ原の戦いは？」
『１…６００年！』
「本能寺の変」
『１５８２年！』
気をそらすためかどんどん出題される問題に負けじと回答する。
腕力の戦いでは今にも負けそうだが正答率は高いのではないだろうか。
しめしめと思っていると、不意に承太郎が話しかけてきた。
「どうだ、思い出せたか？」
『え？』
予想だにしない言葉にバッと顔を上げる。
もしかしてこれが新しい勉強法？全部計算のうちだったのか。
『じょ…』
感動して口元に手をあて名前を呟きかけたとき、勢いよく扉は閉められた。
…そうだ、教科担任にきこう。
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酸性雨の１つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (
レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の１つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います！ (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の１つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです！申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか！！ できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛸山葵 | 作成日時：2023年8月28日 23時
