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使いどころ ページ17

なんでこんな時に限って他に人がいないんだろう。

すっかり部屋の隅に追い詰められてしまい、唯一持っているホウキを命綱のように強く握りしめる。
たかが掃除だと舐めていた十分前の私をこのホウキでぶん殴りたいほど最悪の気分だ。


たまたま当番に欠席が多かったため、人とのコミュニケーションが苦手な私は全て一人で引き受けた。その方が気も使わないので楽だと思ったからだ。

決して今になって掃除が面倒になったわけではない。
なんなら掃除は用具を片付けるだけで終了するまでに進んでいる。



『ッなんで虫如きにこんなザマ…』



人員が欲しい理由、それは誰もが共感できるであろう昆虫についてだ。

人には誰しも得手不得手がある。


一見ちゃらんぽらんに見える私だって得意分野ではそれなりの力を発揮する。
逆もまたしかり、あの承太郎や花京院にだって弱点はある。そう、完璧な人間なんていない。


ここまで御託を並べて置いて何が言いたいか?



『うわあああああ!!』



テントウムシのでここまで動揺する私だってやるときはやれるということだ。
落ち着け、人間の掌より遥かに小さい虫にできることなんて何もないと。


けれど第六感というのか、本能というのか。
冷静な思考とは裏腹に数分間はこの状態が続いていた。



『ヒッ「Aッ!」



再び近寄ってくるテントウムシに対して悲鳴をあげかける。
すると、扉を大きな音が出るほどの勢いで開けて花京院が教室に入ってきた。



「スタンド使いか!怪我は⁉」



どうやら叫び声を聞いてスタンド使いに襲われたと勘違いしたようだ。



『いや、違くて…あの、テントウムシ』


「クソッ、灰の塔のようなタイプのスタンドか」


『花京院?』



申し訳ない、本当に申し訳ない。

色々あったしもしかしたらDIOの腹心が日本にいるのではと疑うのもわかる。
だけどゴメン、ただのテントウムシなんだ。



『心配してくれてるとこ申し訳ないけどそこら辺のテントウムシ!情けなくてゴメン!!』


「…え?」


『飛んだァ!』


「え⁉ゴメン!!」


呆けた顔で一瞬こっちを見てから教室内を飛び回り始めたテントウムシを見上げた。
花京院は納得したみたいで少し恥ずかしそうに咳払いをする。待って見失った。



『…あの、法皇の結界張れる?』


「テントウムシに?」



切羽詰まった声でそう問う私に冷静につっこむ花京院。
きっと私と彼の間には天と地ほどの熱意の差があったと思う。

計算通り→←十人分の愛



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酸性雨の1つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の1つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います! (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の1つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです!申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか!! できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蛸山葵 | 作成日時:2023年8月28日 23時

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