プロローグ ページ1
眼球に万年筆が刺さった生徒に、床に倒れこむ保健室の先生。
そして、背後で血を流している空条承太郎に構えをとっている転校生と人の形をしたナニか。
お世辞でも日常とは程遠い光景に固まって足が動かない。
飛び回る会話はDIOやスタンドなど聞きなじみのない言葉ばかり。
紙で指を切って絆創膏を取りに行こうとしただけなのになんでこんなことに。
しかし恐怖する心とは別に、転校生が操っている“スタンド”というものに「もしや」という気持ちが湧く。
物心ついたときから浮世離れした見た目のナニかが見えていた。
ずっと知りたかったそれの正体がもしかしたら聞き出せるかもしれない。
空条承太郎も“スタンド”について何か知っているようだが私はどうすればいい。
転校生が先生を操って、空条は阻止しようとしたが結果は悪い方向に転んだ。
このままいけば空条は負けて息の根を止められる。
けど私なんかが加勢しても出来ることなんてたかが知れているし、ヘタに邪魔されるよりかは動かない方がいいんじゃ……。
「立ち上がる気か…。
だが悲しいかな、その行動を例えるならボクサーの前のサンドバッグ。
ただ打たれるだけにのみ立ち上がったのだ」
グルグルと無駄な考えが思考を乱すようだ。
半ばパニックに近い状態で思考を巡らす。
本当に止めを?もう十分なのでは。
知らぬ間にかいていた冷や汗を意識する頃には、花京院のスタンドは構えの姿勢をとっていた。
「「悪」とは敗者の事…『正義』とは勝者の事…。
生き残った者のことだ、過程は問題じゃあない。敗けたやつが『悪』なのだ。
とどめくらえ!エメラルドスプラッシュ!」
見殺しにするのか?
乱雑とした思考の中でふとそんな疑問が浮かび上がる。
この状況で唯一戦況を大きく変化できるのは普通の学生だと思われている私だけ。
できるのか?防御する術もないのに。
迷いを断ち切れないでいると、空条がゆっくりと立ち上がった。
「何…敗者が悪?
それじゃあやっぱりィてめーのことじゃあねーか!!」
…何を考えていたんだろう。
反撃するために花京院に向き合った空条を見てさっきまでの自分が急に惨めに映る。
この人は保険医のために、自分の正義のために立ち上がっているのに私ときたら動きすらしない。
こんな人間を、見殺しにしていいはずがない!
『ナーブ・アットウィル』
空条承太郎の言葉に押されるように、私は私についているナニかを呼んだ。
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酸性雨の1つ(プロフ) - 蛸山葵さん» いえいえ、、貴方こそが神なのです。崇め讃えます。 (2月3日 21時) (レス) id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 酸性雨の1つさん» まさか私の知らぬ間に降臨していたとは……。神の名に恥じぬよう頑張りたいと思います! (2月3日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
酸性雨の1つ(プロフ) - 、、、神が此処にいますね存在してますね (2月3日 11時) (レス) @page50 id: f35602649d (このIDを非表示/違反報告)
蛸山葵(プロフ) - 憂さん» 「続きが見たい」と言ってくれてとても嬉しいです!申し訳ありませんが変にダラダラと続けるよりは今区切っておきたいと思いまして…。まだ拙い文ですが読んでくださりありがとうございました。 (11月7日 21時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - お、、終わっちゃうんですか!! できることなら続きが見たいです 間違いであってくれぇ〜 (11月7日 0時) (レス) @page50 id: fbaa8ffb84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛸山葵 | 作成日時:2023年8月28日 23時