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ジェームズがバーンの家の壁に貼り付けた盗聴器で、向こう側の車と俺達の車にはその音源が流れていた。イヤフォンを引っ張って来て、片方の耳を澄まし合う。
バーンが携帯電話で仲間と思われる奴等と5分程度の会話をしていると、午後2時にゴールドという“いつものペットショップ”の前に集合だと聞き取れた。地図を広げてキャロルに場所を探してもらい、有無を言わずついていく。
「地図で言うと、バーンの家からペットショップまで、どうだろう……。ここの3分の1の距離だわ。間に合うかしら?」
車に表示される1:45時刻を見て、
「遅れるかもしれないと連絡を入れよう。俺も飛ばすが、車が多くなってきた。思い通りにいかないかもしれない」
前には色とりどりの電気自動車で一杯だ。隙間はいくつかあるが、そこをジグザグしていけるのは至難の業だ。キャロルはサングラスを元の位置に片付けてた。それから自らの携帯で、電話帳をクリックしてジェームズに電話をかける。盗聴器を回収しなきゃならないから、アイツ等はバーンの近くだ。
キャロル「もしもし。キャロルだけど……」
ジェームズ「ちょっと待って。今、盗聴器しまってんだ。ビアンカにかわる。ほらよっ」
ビアンカ「よっと。携帯落とすとこだった」
ジェームズ「てめーキャロルさんの電話落とすんじゃねーよ」
ビアンカ「お前が投げんの下手糞だって意味だよ!」
エッジを効かせたビアンカの言葉が耳に通る。仕事中でも奴等は、獣臭丸出して喧嘩をしているのかもしれない。
ビアンカ「電話代わったよ。何の用?」
キャロル「ビアンカ、ゴールドに遅れるかもしれない。距離的にも……渋滞してるのよ」
ビアンカ「はいよ。分かった。詳しい位置は、後で連絡するから」
キャロル「メールくれる?」
ビアンカ「GPSたてとくよ。他に何かあったらメールする」
キャロル「ありがとう」
ジェームズ「今何時?」
ビアンカ&キャロル「1時45分。2時集合」
キャロルが電話を切り、もう一度ジーンズのポケットに仕舞う。前に視線をやるたびに、車車車で、アスファルトの道が見えない。パワーアローは都市ニューヨークに近いということもあって、人が混んでいるのだろう。周りはガラスの張り巡らされたビルばかりだ。仕事が順調ではないと、腹立たしくなってくる。
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あに(プロフ) - いえいえ。こちらこそ、お忙しいところ申し訳ありません。 (2015年11月1日 10時) (レス) id: b6e044a433 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - あにさん» ありがとうございます。私もコイツらのこと好きです(°▽°)/あに先生の小説の評価、遅くなって申し訳ありません。これから暫く暇になると思うので一気読みしますb (2015年11月1日 8時) (レス) id: 6298628eb9 (このIDを非表示/違反報告)
あに(プロフ) - キャラクターの台詞がとても好きです。そして、映画を見ているような感覚です。文を読むとその場の様子が浮かんできて、感動しました!このサイトではめったにこういう作品と出合うことがめったにないので……。 (2015年11月1日 0時) (レス) id: b6e044a433 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - 阿吽さん» コメントありがとうございます(*´∇`*) 今振り替えると、文の羅列ばかりで配列に工夫がないような……。でも今のバランスなければ凄いという言葉は出ないはず。難しい所ですね。 読んでくださってありがとうございました! (2014年11月5日 23時) (レス) id: 5c4ab849ae (このIDを非表示/違反報告)
阿吽(プロフ) - 凄い…!!あ、イベントに参加登録してくれてありがとうございます!!!! (2014年11月5日 23時) (レス) id: e6f590558d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作者ホームページ:https://twitter.com/seshiru777777
作成日時:2014年8月7日 15時