契約5(過去編2) ページ7
グレイside(回想)
(バタン!!)
男「ひぃぃ!!!」
男は屋敷のドアを開け
勢いよく飛び出てくる。
(コツ、コツ、コツ。)
『なんで僕の屋敷に、お前みたいなクズが居るのかなぁ?』
その後から、余裕そうに
さっきの女の人が歩いてくる。
(シュッ!!)
男「ギヤァァァァ!!!」
刹那、その女の人は
自分より離れた男の目の前に移動していた。
『僕さぁ…………血にしか興味がないんだぁ。』
そう言うと、女の人の周りに
白い霧がかかり、風で渦を巻く。
『でもさぁ、君の血は不味そうだよ?とても不快だぁ。』
そして、霧が消え現れたのは
とんがった耳に尖った牙をもった
さっきの女の人だった。
男「ば、化け物ぉぉ!!!!」
『不快だからさぁ。………死ねば?』
(グサッ!!)
男「うごぉッ!」
(ピシャッ!!)
『………(ペロリ)ほら、やっぱり不味い。』
女の人は顔に着いた返り血を舐めて
不味いと呟くと、男の頭を剣で突き刺した。
その姿に、幼かった僕は何故か
憧れのようなものを抱いた。
その人のかっこよさや剣の素晴らしさ、全てにひかれていた。
これが、リリィとの出会いだった。
「す、凄い!!」
『餓鬼、君は恐くないのかい?』
「何が?むしろ格好いいよ!助けてくれてありがとう!!」
『へぇ……珍しい餓鬼もいるんだね。面白い………。』
(コツ、コツ、コツ。)
するとゆっくり、ボクに近づいてきた。
そして…………
(ガブッ!)
「ッ!?お、ねえ……さん?」
すると彼女は僕の首に噛み付き
僕の中の何かを吸っていた。
今思うと、血だったんだよねぇ。
(ゴクゴク、ゴクゴク……)
痛いけれど、今まで感じたことがないほどの快楽が、昔のボクにはあったんだ。
『(ゴク、ゴク)ん、いいねぇ……』
(ペロリ)
「んッ!!」
一通り飲んだら、
牙を突き刺したボクの首筋を
ペロリとひと舐めして、ボクを見下ろした。
『ごめんね。沢山吸ってしまったよ。美味しかった、ご馳走さま?』
その時ボクは
別に恐くはなかった。
なんでかわかんないけど。
「ねぇ………君は何者?」
そしてボクはそう訪ねた。
すると彼女は…………。
『僕かい?僕はねぇ………………
……………吸血鬼(ヴァンパイア)さ?』
23人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:羅楽 | 作成日時:2017年10月6日 17時