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劇場版:ブロリー(フリーザ)7 ページ22

総帥夫婦のやり取りに、キコノは気を遣いつつも質問を続ける。

「では………、例えばダメージを受けないとか」

自らの体を殴るジェスチャーをするキコノを見、ゆっくりと首を振りながら答える。

「それじゃあ、ゲームが面白くなりません」

では何だろう、とキコノは、顎に手を当て考え込んだ。

「うーん、なんでしょう………」

フリーザはその様子に愉快そうに笑った。

「ほほほほほ、当たりませんよ」

「不老不死でも、力でもないとしたら……」

「いくら貴女でも、分かりませんよ」

教えてくれたっていいじゃない、とふくれるAに、フリーザは笑いながら頭を撫でる。
すると、先ほどから会話に入らず耳を傾けていたベリブルが口を開いた。

「身長を、伸ばしたいのでございましょう?」

フリーザは、突然口を開いた世話役の老婆を振り返り、眼を見開いた。
キコノは顔面蒼白で、慌てた様子である。

「ベ、ベリブルさん!なんてことを!」

そんな様子をお構いなしに、ベリブルは続けた。

「陰でフリーザ様をチビと言っていた兵士を、何人も消されていますからねぇ」

フリーザは引きつった苦笑を浮かべ、ベリブルとAから顔を背けるようにして答えた。

「流石ですね、ベリブルさん。正解です」

「えっ、正解なんですか!?」

驚きのあまり身を乗り出すキコノに、フリーザは至極真面目な顔を向けた。

「誰にも言わないと、約束できますか?」

「も、もちろんです!」

キコノはちぎれてしまいそうな勢いで首を縦に振った。
ふーん、そうなんだ。とニヤニヤしているAと目が合うと、きまりが悪そうな顔でキコノに向けて指を5本立てた。

「身長を、5センチ伸ばしたいんです」

「あっはは!5センチって!」

ついにAは吹き出してしまった。うちの旦那は可愛いなぁ、と笑う彼女をキコノはちらりと見て、大量の汗を流す。

「で、でしたら、第二形態あたりの変身のままであれば、十分な身長が……」

「いいえ、私は、普段や最終形態で大きくなりたいんです」

そう話すフリーザの面持ちからは、冗談の類では一切ないことを示していた。

「で、では…………何故、僅か5センチ……」

フリーザは睨みつけるようにキコノを見下ろした。額には、汗が浮かんでいる。

「一気に大きくなったんじゃ、不自然でしょう!」

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作者名:piace | 作成日時:2018年5月7日 22時

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