人間を愛したかみさま【短編】 (ページ23)

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劇場版：ブロリー（フリーザ）8 ページ23

頬を少し染めながら、そう声を荒げる宇宙の帝王に、妻であるAを除いては、顔を引きつらせるしかなかった。

「まだ成長している感じにしたいんです」

「な、なる………ほど…………」

何とか言葉を紡ぐキコノに、ようやく笑いが徐々に治まってきたAは手をひらひらと振って声をかけた。

「下がっていいわよ、キコノ。ドラゴンボールが揃い次第、報告お願いね」

「は、はい……。では失礼いたします」

「ご苦労でした、キコノ」

部下を下がらせたフリーザは、頭を抱えながら盛大にため息をついた。
席にもたれかかっているAを尻尾で自らの膝に乗せ、笑みが隠せぬその顔を見るとまた、ため息をついた。

「いい加減、笑うのをやめたらどうですか」

「だってフリーザのそんな顔見るの久しぶりで……、身長、気にしてたんだなぁって。私の方が低いし別に気にしなくていいのに」

そういう訳にもいきません、とふくれるフリーザを見ながらAは続ける。

「ま、お義父様もお義兄様も背が高いんだし、いつか成長期くるんじゃない？」

「そこと比べられるのも身長を伸ばしたい理由の1つなんですけどね……」

「どうせドラゴンボール使うならお義兄様たち生き返らせるとか」

「それは絶対嫌です」

「………意地っ張り」

とその時、ピピ…と通信音が鳴った。

「何やらフリーザ様にお会いしたいという者が来ているみたいで、お連れしてもよろしいですか？」

「ベ、ベリブルさん、まだいたのですね……。ええ、会ってみましょうか」

「では、失礼いたします」

ウィン、とベリブルが退出するその背後から、くすくすと笑い声が聞こえてきた。