劇場版：ブロリー（フリーザ）6 ページ21
———41年後———
「フリーザ様」
指令室に入ってきたキコノが、指令席のフリーザの傍へ、命ぜられていた調査の報告に来た。
「ベジータの妻が、ドラゴンレーダーと共にすでに6個のドラゴンボールを所有していたようで。それを入手し、最後の1個を求めて現在向かっているようです。」
フリーザは満足そうな笑みを浮かべてキコノを見下ろした。
「それは素晴らしい報告ですね」
「では、地球に向けて船を発進させましょうか？」
「いえ。7個全て集まってからでもいいでしょう」
フリーザは正面を向き直って続ける。
「焦って到着するのは危険ですよ。奴らはスカウターがなくても高い戦闘力の接近が分かるようですから」
「分かりました」
キコノはなるほど、と頷き一歩下がった。
丁度その時、ウィン、とゲートが開いた。
「これはこれは、A様。フリーザ様がお待ちでございますよ」
「ベリブル、連絡ありがとう」
指令室にいた部下たちが皆、姿勢を正して一礼する。
フリーザは振り返りAに微笑みかけると、手招きするかのように手すりを撫で尻尾を動かした。
「待っていましたよ、A」
「お待たせ。今日はドラゴンボール探し？」
ベリブルとキコノに軽く笑いかけながらフリーザのもとに歩いていき、指令席に寄りかかってフリーザを見上げた。
「ええ。もうほとんど集まっていますがね。そういえば…」
フリーザはキコノにさっと視線をやり言葉を続ける。
「願いの叶え方は、メモしてありますね？」
「はい、抜かりなく。………ところで、」
「なんですか？キコノ」
キコノは恐縮して身を縮めながら、恐る恐る尋ねる。
「その……ドラゴンボールが集まったとして、フリーザ様はどのような願いを叶えられるおつもりなのかと……。以前から言っておられた、不死身の肉体ですか？」
フリーザは機嫌が良さそうに答えた。
「ほーっほっほっほ、違いますよ」
「え？」
フリーザは窓の外に目をやり、静かに続けた。
「地球の地獄というところで、動けなくされて分かりました。死ななくても動けないんじゃ、苦痛なだけだと」
文字通り地獄のような経験を思い出し、フリーザの眉間に深く皴が刻まれていく。
「そんな怖い顔しないの」
そうAに窘められると、ふう、と息を吐いて彼女の頭にそっと手を置いた。
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作者名：piace | 作成日時：2018年5月7日 22時
