神の待望1 ページ2
私がずっと望んでいたものは
———————神の待望——————
この世界は、全て対でできている。
宇宙も、神も、概念も。
全宇宙の頂点に立つ全王もまた、例外ではない。
人間や界王神や破壊神がいる世界。
この世のトップにいるのが全王。
では、死人や魔族がいる、所謂あの世では?
この世とあの世は対である。
あの世を統べる、彼女は今………………………………
「惑星ベジータ?」
第7宇宙の破壊神のビルスが珍しく起きていると聞いてやってきてみたら、なんと仕事の話をしていた。
彼の仕事はいらなくなった存在を破壊するというものだ。
今回はその惑星ベジータというところが存在するに値するかを視察に行くという。
普段は面倒がってそういった雑事をほぼ付き人のウイスに任せているあのビルスが。
「せっかく来たんだし、私もついていくよ。」
いつもならほかの宇宙に移動するところだが、今回は気になることがあった。
「君が来る必要はないよ。どうせ行っても退屈だ」
すぐに戻るからここで待っていればいい、とビルス。
また、あまり下界に降りるものではないよ、と咎めてくる。
いったいこの神は、誰に向かって苦言を呈しているのだか。
しかし、彼が言うのはもっともだ。
人間と、特に生きている人間と関わりをも持つことは本来ならば有り得ないこと。
だが、かまいはしない。
私を罰せられる者など存在しないのだから。
「あらビルス。私に意見を変えさせる気?」
今回ばかりは身を引くわけにはいかない。
だって予言魚にこう言われたんだもの。
【今日はビルス様についていけばいいですよ。そうしたら、貴女様の“欲しいもの”に出会えます】
予言魚の予言は必ず当たる。
この私の未来ですら当ててしまったのだから恐ろしいものだ。
私の欲しいもの。
私だけの、愛しい人。
それはベジータ、間違いなく貴方だった。
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作者名:piace | 作成日時:2018年5月7日 22時