王子の諦念 ページ1
『貴方が、ベジータ王子? 』
その日、俺の日常はお前によって壊されたんだ。
_______________王子の諦念_______________
誇り高き戦闘民族サイヤ人の王、ベジータ王を父に持つ俺ベジータは、戦闘力や潜在能力が突出して高い超エリートとして順風満帆な人生を送っていた。
破壊神ビルスとお前が来た、あの日までは。偉大なる父を足蹴にする、破壊神ビルス様と呼ばれる人物。
あまりにも目を疑う光景に耐えられなくなり自室に戻ろうと踵を返す、そしたら突如目の前に現れたお前は、微笑んでこう言ったんだ。
『あなたに会いに来たの。やっぱり、貴方なら私に相応しい。 』
今思えば、出会ったその時からお前は神秘的な存在だった。
父も恐れていたあの破壊神を言い負かす毅然とした姿、俺に甘える少女のような姿、逆に甘えさせてくれる大人びた姿、フリーザですら手玉にとってしまう悪女のような妖艶な姿───
どの姿も俺を夢中にさせた。
生涯でお前ほど愛せる女は誰一人いない。
これからも、現れない。
それほどまでに盲目的に愛していた。
いや、愛している。
お前と過ごしたあの日々を思い起こすと、まるで夢のように思える。
夢中、とはよくできた言葉だ。
初めて会った時の微笑みは今でもすぐに思い浮かぶ。
だが、何よりも脳裏に焼き付きて離れないのが、長期任務に向かう俺を見送りに来た時に見た、物悲しそうな表情…、最後に見た、お前の姿だ。
幼い頃に結婚してから、もう多くの月日が経った。
この長期任務が終われば暫くは落ち着くだろうし、そろそろ子供のことを考えようか。
幼い頃に結婚してから、もう多くの月日が経った。
この長期任務が終われば暫くは落ち着くだろうし、そろそろ子供のことを考えようか。
跡継ぎとなる男も欲しいが、サイヤ人には少数派となる女を育てるのも悪くない。
ラディッツに弟ができたと聞き、よく見に行っていたお前なら、きっと喜ぶだろう。
そう考えていた矢先に、ひとつの報告を受けた。
「惑星ベジータが、消滅した。」
あれから何年も過ぎた。
俺はまだ、フリーザ軍で働いている。
だがそれもここまでだ。
もうフリーザの野郎の好きにはさせない。
お前の敵は、俺が取る。
ナメック星まで、あと______________________________
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作者名:piace | 作成日時:2018年5月7日 22時