人間を愛したかみさま【短編】 (ページ3)

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神の待望２ページ3

「貴方が、ベジータ王子？」

下界の人間と婚姻を交わし、挙句の果てに下界で暮らす。
他の神々はあまりの衝撃に言葉も出なかったという。
私は、自らの役目を投げ出して、惑星ベジータで暮らすことにした。
あの世はきっと今まで通り、各宇宙の神々や閻魔が上手く鎮めてくれるだろう。
魔界もまた、魔王やその側近たちに任せてきた。
特にダーブラはよくやってくれているし、トワやメチカブラもついている。
最近目をかけているサルサやシュルムもこれを機に成長してくれるだろう。
私は部下に恵まれている。
私は、畏れられているだけの全王とは違う。

惑星ベジータでの暮しは、新鮮でなんとも楽しいものであった。
愛する人と共に過ごす幸せは何にも代えがたいものだ。
サイヤ人とは、下級中級上級関係なく知り合いもできた。
その中でも、友と呼べる存在もできた。
そして何よりも可笑しかったのが、私を、全王の対の神である私を、部下と呼ぶものが現れたのだ。
この星を統治していたフリーザ。彼に側近として登用されてからは、彼のもとで働き、そこでも友人がたくさんできた。
なんと楽しい毎日なのか。
私の正体を知っている者は、ここにはいないのだ。