【◇A】青心寮在住の引きこもり。【逆ハー】 (ページ39)

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BALL38 ページ39

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｢っあはは！Aバカじゃん！｣

｢真希が出来るからって、私ができるとは限りませんよーだ！｣

クラスの中でも、飛び抜けて中心的にいた二人。
それが鈴井Aと、酒井真希という存在だった。

誰がどう見ても親友と呼んでいい二人は、いつ見ても笑顔で笑っている。

そのおかげか、1年の時のクラスは随分賑やかに過ごせたのだ。

ただ、2人には決定的な違う点がある。

取り巻きが女子ばかりでキラキラしている真希。

あまり男子には好かれず、スクールカーストが下な女子からも良い存在とは思われていなかったのだ。

それもそのはず。
小馬鹿にしてくるような上から目線の態度は、誰の目からも嫌だと思う。

それに比べて、Aは誰とでも仲良くしていた。

図書室で一人本を読んでいる子がいれば、｢私もその本知ってるよ。これも面白いよ？｣なんて話しかけ…。

教室の隅にいる子がいれば、｢あ、このキャラ私も好き！この作者さんが好きでね…。｣と話を合わせ…。

それこそ御幸のように野球馬鹿な奴にでも、｢よっ！御幸一也様！｣と茶化しながら野球の話をしにくる。

世界観が広いAにとって、話題はどこにでもいくつでも溢れている。

自然と人が寄ってくる。
普段話さない子も、Aのおかげでおしゃべりが好きになる。

それが、鈴井Aという存在。
まるで太陽のような。

だから、｢闇｣に覆われてしまった。

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