私はイナコの騎士です。以後お見知りおきを（続き）

手厳しい作法 ページ27

〜次の日 メア皇子の部屋〜

ｺﾝｺﾝ

『おはようございます、メア皇子。昨日はドレスのデザイン画をありがとうございました』

メア皇子『…別に』

『仕立てをお城の方にお願いしましたら、こんな素敵なデザイン滅多に見られないと言っていましたよ』

メア皇子『……ふぅん///…これで、もう用は済んだだろ///』

『いいえ。一緒に戴冠式に出席しましょうという話が残っていますよ』

メア皇子『…ちっ、覚えてたか』

うやむやにしたかったのでしょうか…

『そして、そのこともありますが、戴冠式のことでもう１つ問題がありまして…』

メア皇子『は？まだ何かあんのかよ…』

『作法があると、おっしゃっていたじゃないですか…』

メア皇子『………………あー。適当でいいと思う。大丈夫、大丈夫…』

『今の無言は、間違いなく嘘ですよね！？』

メア皇子『教えるとか、…面倒だ』

『お願いです、メア皇子。私はイナコの代表として、恥じない動きをしたいのです』

メア皇子『…あーもう…。じゃあ、イナコでの祝賀行事ってどんな感じだ？』

『王様や兵士、騎士に国民など、みんなでわいわい騒ぐ感じですね。イナコは身分とかの差があまりないですから』

メア皇子『…根本的に違うぞ…。セレンファーレンでは絶対にあり得ない』

『やっぱりそうですよね、規模が違いますし…』

メア皇子『兄上が神の子として崇められてるのは知ってるな…？』

『はい、勿論』

メア皇子『セレンファーレンの皇は神の代弁者だ…。とても神聖で崇高な存在だ。アンタのところみたいに、皇家と国民は近くない。身分も厳格だし、作法にもうるさい。他国の出身で騎士だとしても、ちゃんとしないと恥かくぞ』

『そうですよね…。どんな感じですか？』

メア皇子『まぁ、そこまで難しくないから大丈夫だろ』

『そうなのですね。詳しく教えていただけますか？』

メア皇子『兄上が新皇に戴冠したら、来賓には挨拶の順番が回ってくる。そしたら挨拶して、新皇の兄上に拝謁。挨拶をして3歩後退る。そこで一礼』

ダメだ…分からない…

メア皇子『そこから2歩戻って兄上の錫杖で祝福を受ける。あとは…』

『メア皇子…』

メア皇子『ん？』

『戴冠式には、絶対出席してください！こんなに動きがあると、私も全部覚えられません！私個人としてもメア皇子にご出席願います！！』

メア皇子『な、なんだと…』

こうなったら、メア皇子が戴冠式に出席できるようにもっとサポートしないといけませんね

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←メア皇子作のドレス画

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す