太宰さんは口説きたい【太宰治】

口説かれる彼女*12 ページ21

.


「嗚呼、やっぱりよく似合うよ」


花を愛でるような瞳で太宰幹部は私の頬を撫でる。太宰幹部が私によく似合うと云ったワンピース。ポートマフィアの黒。まるで大きな力に守られているような、そんな感覚に陥る。


「これは君にあげるよ」
「で、でもこれお高いんじゃ…！ 」
「ほんの十数万円だから、気にしないで」


いや気にしますよ！？ と言いたいところだが幹部の財力を考えると、成程 十数万円は一般市民で云う十数円程。確かに、ほんので済まされる。だからここはご好意に甘えておこう。うん！そうしよう！！


「どこに行きたい？ 」
「太宰幹部とならどこでも楽しい気がします」
「ふふ、嬉しいことを云うね。そうだね…じゃあ」


んー、と悩む幹部の横顔を見て、本当に綺麗な顔立ちをしているな。と思う。
今、彼の隣に立っている私は彼にお似合いな女の子になっているだろうか。もしそうなら、いいな。

口説きたい彼12#→←口説きたい彼11#

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す