口説かれる彼女*10 ページ17
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「だからほら、行こ!」
太宰幹部に手を引かれ、彼の赴くままどこかに連れていかれる。デート。私の頭の中ではその異質な単語がぐるぐるとメリーゴーランドのように回っている。デート、デート?太宰幹部と、私が?
有り得ない。
ただその言葉だけが彼女を支配し、口を封じていた。そう、これはきっと何かの間違い。これはきっと夢なんだ。だけど、手に伝わる彼の温もりと感触は確か。
「だ、だ、太宰幹部っ。私こんな姿ですよ!?こ、こんな姿であなたの隣に立てませんから…っ、だ、だから手を離してください!」
悲痛な叫びも虚しく。彼はにんまりと笑って、指を絡ませる。それはまるで、逃げるな。と言われているよう。
あまりにも太宰幹部の威圧が怖いので、思わず「か、幹部?」と声がもれる。震える声をとらえた彼は目的地だったのか、目の前にある洋服店へと私を引っ張った。
「服装の心配はないよ。とびっきり可愛くしてあげる。」
とてもきらびやかな店内。まさかとは思うが、ここは…
「首領がエリス嬢への洋服を買う店だよ。あ、もちろんだけど大人服あるし、あんなロリータファッションは着せないから」
ひく、と私の口角が引き攣る。ふと目に入った洋服の値札が私がいつも使う服より0が二個ほど多い気がしたからだ。
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母 - みじかい (2020年9月28日 1時) (レス) id: 049c48a071 (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - 弔藍さん» ありがとうございます!!!ありがたく承認させていただきました! (2017年11月14日 19時) (レス) id: 68b6b27599 (このIDを非表示/違反報告)
弔藍(プロフ) - きみしにたもーさん» 参加させていただきます。 (2017年11月14日 19時) (レス) id: cac47d7322 (このIDを非表示/違反報告)
弔藍(プロフ) - きみしにたもーさん» ありがとうございます。 (2017年11月14日 18時) (レス) id: cac47d7322 (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - そうでしたか、ありがとうございます。参加期限はありませんので、いいお返事お待ちしてます (2017年11月14日 18時) (レス) id: 68b6b27599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tatsuka0822
作成日時:2017年9月9日 19時