Crown【短編集】

夢みたい:センラ ページ5

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　手が届くはずない場所にいる人に恋をしてしまった。叶わないと分かっているのにどうしても諦められなかった。


　友達にも誰にも言えなくて、本音が言えるのは知り合いが誰もいないツイッターだけ。リアコだから、相互さんなんて全然居なくて、鍵垢にしてこっそり言いたいことを呟いていた。

　｢でも、きっと、彼女さんいるんだろうな…。｣

　頭では分かっているのに、心が追いつかなかった。



　推しに貢ぐため、あわよくば推しがお店にお客としてこればいいのに、そんな欲だらけのバイト。時給が良かったから、そんな決め方のタピオカ屋。

　笑顔をニコニコと貼り付けて、いらっしゃいませーなんて言っていれば、何度も何度も見ていた顔。

　｢…は、｣

　｢これとこれ1つずつ、お願いします。｣

　｢は、はい。｣

　私の声は聞こえなかったのか、普通に注文してきたセンラさん。少し変装してるけどすぐに分かった。隣には、女の人。

タピオカを作る手は震えていて、でも、どうかリスナーだとバレないように笑顔を貼り付けた。

　｢お待たせしましたー。｣

　｢ありがとう。｣

　タピオカを受け取って代金を支払うセンラさんを夢見心地で見送った。…この距離出会えることなんて二度とないんだろうな。でも、やっぱり素敵な人。




いつかは忘れないとこのコイゴコロ。

ぎゅー:そらる→←学校まで:となりの坂田。

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