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俺＿＿高尾和成の恋人である棚倉Aは、モテる。
それはもう、男を振り向かせる惚れ薬みたいなものでも飲んだかのように、男をひょいひょいホレさせるのだ。彼女の母親もまたそうだったと聞くし、棚倉家の女性フェロモンはどうなっているんだと聞きたくなるくらいである。
彼女は見た目がかなり華やかというわけではない。しかし、長く艶やかな黒髪をまとうしなやかで華奢な体は誰でも守りたくなるし、控えめで謙虚な姿は男としてぐっとくるものがある。
高校時代ではあの赤司征十郎まで虜にさせた子だ。いや、あの天才完璧超人赤司様だけではない。キセキの世代全員が彼女に惚れていたし、なんなら俺や氷室さん、黒子といったキセキの世代の相棒まで彼女にぞっこんだった。
そんな彼女がなぜ俺を選んだのかという謎は未だに解明されていない。
高校1年の冬……つまりは去年の今頃に、WC終了後に彼女は俺を選んだ。
将来確実に安定になるであろう赤司でもなく、同じ誠凛メンバーとしてずっと共に戦ってきた黒子でもなく、他のキセキの世代でもなく、俺。
どうして、という気持ちが多く膨らむのも無理はない。
断じて彼女の心を疑っているわけではない。彼女は俺を好きでいてくれている。それくらいはもう一年も付き合っているのだから、十分すぎるくらいにわかっている。
しかし、どうしても思ってしまう。どうして彼女は俺を選んだのか。
未だに誠凛で呆れるくらいにモテる彼女は、どうして他校の俺と付き合おうだなんて思ったのか。
ふとした時に湧き上がるその不安は、いつまでたっても消えない。
あんなにモテる彼女だ。いつ誰が横取りするなんてことは予想もできないのだから。
「……そういや、もうそろそろバレンタインだっけ……」
ふとカレンダーを見ると、そこには赤く「バレンタインデー」の文字。
数日前はきっちり仏教の日本らしく「節分」と書いてあり、鬼がなんだとそこらじゅうに大豆をまいていたのに。いつの間にか混合されてしまった日本の宗教イベントは忙しい。
そんな侮辱のようなことを思いつつも、どうせ自分もそのイベントでは楽しむ人間なのだから、ごちゃまぜ宗教には感謝しなくてはならないかもしれないが。
彼女はチョコをくれるだろうか。部活で忙しくて作っている暇もないかもしれない。
無理はしてほしくないという思いと同時に、
俺を好きだという証明となるチョコが欲しいと、どこかで思ってしまう自分もいた。
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みゃのさん(プロフ) - 取り合えず来てみましたが、私の名前がこの場に残ることは無いでしょう。なぜなら、完結した試しが無いからです！みなさんどうやって、完結させてるんですか！？ (2018年2月10日 21時) (
レス) id: 375ad31803 (このIDを非表示/違反報告)
遠野(プロフ) - 七瀬さん» ひぇ〜七瀬さんありがとうございます！スピンオフということで皆さんの作品が最高級なので、私の文章が破壊している気しかしません（泣）そういっていただけて嬉しいです。七瀬さんの参加もお待ちしてますね！ (2018年2月9日 18時) (レス) id: bde8341d75 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - 企画第2弾、おめでとうございます！やはり遠野さんの文章力は素晴らしい……！私も何か作品が完結したらお願いします！ (2018年2月9日 17時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
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