〜黒バス小説PR集3〜（感想・書評・PR文集）

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【遠野の感想】


≪完成度≫ ★★★★★

≪感動度≫ ★★★★☆

≪ストーリー性≫ ★★★★★


西谷さんの作品は、以前も感じたのですが、本当に完成度が高い……！

最初からプロットを構成して書いているとしか思えないほど、最後のまとまりも綺麗で、伏線の張り方も上手です。

今回の「忘れられない君のこと。」は特にそう感じました。無駄がないのですごくすっきりとわかりやすい物語になっています。このシリアス調では読者にわかりにくくなってしまい、作者の世界に入ってしまうことが多いのですが、西谷さんの書き方は読者にわかりやすく、シリアス苦手な人にも入りやすいのかなと思います。


突如現れた謎の少女が、主人公の高尾君に「恩返し」がしたいということから物語は始まります。


しかし高尾君はこの少女のことを知らないんですよ。
恩返しっていっても、俺なんか恩返しするようなことした？みたいな。

もちろんこれらすべてが伏線となり、最後には謎が判明するのですが、
すごく感動しました……。


私的に、この物語のテーマをつけるなら、「感謝」かなぁと思います。


やっぱり西谷さんの物語はどうしても恋愛以上のものが抜きんでている気がしてならない……。でもそれこそがただの恋愛物語ではないというオリジナリティで、かなりいいところだと思います。


ヒロインには感情移入をするというよりは、ヒロインはもう一人のキャラクターとしてかなりしっかりとした設定や過去もありますし、
感情移入をしてイケメンとドキドキしたいといったものではなく、Aと高尾君の純粋すぎる物語を見守るという形の物語です。


そんな完成度の高く、美しい物語。


私は、この物語を読んでいるとき。いや、読み終わったとき。
透き通る青空、真昼間で太陽も輝いている中、なぜかパラパラと降る雨の絵が見えてました。





食べ物に例えるなら＿＿＿＿グレープフルーツジュレ


色に例えるなら＿＿＿＿勿忘草色


一言でいうと＿＿＿＿「恩返しから始まる感謝と未来の物語」

「キセキの絆は切れない絆」雲英→←「忘れられない君のこと。」西谷彩香

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