少女の名は ページ4
「か…か…ふ……」
青年はラクサスの一発の拳骨によりすっかり伸びきっている。
「仲間を見下す発言はダメよ」
「お前が言うか?」
「他のギルドの軽視も聞き捨てならん」
「お前に
雷神衆とラクサスの圧により、情けない声をあげながら青年はギルドを出て行った。
「お前らはなぜ
ラクサスが残りの新人二人を見下ろせば、ガタガタと尋常ではないほど震え出した一人の男の子。
「怖ぇーよここーっ!どこがアットホームだよー!!!」
男の子も青年と同様。
悲鳴にも捉えられるような声で勢いよくギルドを飛び出して行った。
そう、ラクサスの圧によって。
「入ってく直ぐ二人抜けた。ラクサスのせいで…」
「俺のせいかよ!」
エルフマンの言葉にラクサスは少し顔を赤らめる。
「Aが帰ってきたら怒られるぞー!アヒャヒャ!!」
「アイツは関係無いだろ」
「怖ぇなぁーアヒャヒャ!!」
顔を険しくさせたラクサスに睨みつけられるカナだが、一切臆する様子を見せない。
「わ…私は、私はトウカ。ナツのいるギルドに入りたくて来ました」
「ナツ?」
トウカの言葉にギルド内がざわめき始める。
「ナツとはどんな関係なんだ?」
「ナツとは、その…いいえ、ナツ様よ。
ナツ様こそ私の…マイスイートダーリン♡」
その衝撃発言に、マカオが口に含んでいた酒を吹き出す。
マカオだけじゃない。ギルドにいる皆が驚きに包まれる。
「被ってきたねぇ、ジュビア」
「ブツブツ……グレイ様が私を置いて……ブツブツ…」
「いや、何でもない…」
ブツブツとジュビアが念仏のようなモノを唱えているこの様子はここ最近では見慣れた光景。
「そう…運命の出会いは一年ちょっと前…」
「ギルド解散してた頃か」
トウカはナツとの出会いを語り始めた。
「盗賊に襲われた私の前に現れた白馬に乗った…いいえ、火竜に乗った王子様!!」
「それじゃ、ナツがナツに乗ってるじゃねーか」
「意外とモテるのねナツ……」
「あらあら」
「で!!ナツ様はどこ!?どこにいるんですの!?マイスイートダーリン♡」
両手を合わせキョロキョロと周りを見渡すトウカにマカロフが口を開いた。
「仕事じゃ。しばらく帰ってこんぞ」
「へ?」
「魔導士ギルド創設以来誰も達成する事が出来なかった依頼……
―――100年クエスト!!!!」
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作者名:チュロス | 作成日時:2020年4月29日 14時