獄都商人 (ページ13)

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じゅうにページ13

「そ、そんな重要な役目を私に任せていいんですか！？」

はっきり言って、私は弱い。やばい奴にうっかり会った場合は、第一に逃げ、第二に逃げ、第三に大声を上げるくらいだと言えば伝わるだろうか。とにかく、どうあがいても私は戦場には入れない。足手まといにはならないように心がけるが、それだっていつまでもつかわからない。そんな私に、伝令役！？

「君は神社の境内に入ってくる必要はないんだ。ここまで強い相手だ。現世から来た亡者、という線もあり得るし、ここまで目撃情報がないのもおかしい。多分、今斬島がいるのは、彼岸と此岸の境界なんだと思う。そんなところに用もないのに入っていく妖怪は基本いないからね。だから、境内に入りさえしなければ、多分、君は安全なんだ。」
「…ずいぶん、確信があるような言い方ですね。たぶん、とか言いまくっている割には。あてがあるんですか？」

確信がないのなら、おそらく私と木舌は分かれて斬島を探したほうがいいだろう。だが、何か、あてがあるのなら…

「まあね。…ここから、少し行ったところだよ。」

そういって、彼はベンチを立った。

「どうかな、一緒に来てくれない？」
「…。」

木舌の緑色の目は、とても綺麗だ。今も、日光を少し取り入れて、きらきらと光っている。

「わかりました。いきましょう。」

私も、ベンチから立ち上がった。