シンデレラ・ディレクション《ars/k.n/0617》 (ページ4)

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Prologue -4 ページ4

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絶句、というのは、なんと言葉を返したらいいかわからないから起こる現象だと思う。

私はぽかんと口を開けたまま二宮さんの整った顔を見つめていた。

「大野？どうした間抜けな顔して」

「櫻井さん良いところに…！というかそんな顔してません」

これ幸いと私は櫻井さんの方へ向き直る。

櫻井さんは大きな目に疑問の色を浮かべながら私と見つめ合っていた二宮さんに目をやった。

「あれ、ニノじゃん」

「ああ翔ちゃん、なんか久々だね」

「？？」

と思ったらよくわからない会話が聞こえてきて私は再び頭の中に疑問符を浮かべる。

ニノ？翔ちゃん？久しぶり？

疑問符だらけの私の顔に気づいたのか櫻井さんがふっと可笑しそうに吹き出す。

ちょっと櫻井さん、顔が良いから許されてますけど女の子をそんな風に笑うのは失礼ですよ。

「ニノは俺の大学の時の友達だよ」

「えっ」

「どうも」

二宮さんは改めて私の顔を見て笑う。

「どう、も……」

なんとなく頭を下げながら私は頭の中を整理する。

櫻井さんと二宮さんは学生時代の友達。

あれ、ってことは…。

私の視線に気づいたのか相葉さんがひょこりと顔を上げるとニッと笑って見せた。

「俺も友達だよ。大学一緒だもん」

「…ですよね」

そもそもこのお店は櫻井さんのお友達である相葉さんがやっている店なので櫻井さんの友達である二宮さんも友達であったって不思議ではない。

三人の顔を見回してから二宮さんに顔を戻すと二宮さんはすでに焼き鳥をビールで流し込んでいるところだった。

「翔ちゃんたちこの後は？」

「別になんもないよ」

「じゃあ二軒目行こうよ、金曜日だし」

「いいよ。あぁでも、こいつは無理」

ポンと櫻井さんの手が私の肩に乗る。

二宮さんはつくねに噛みつきかけていた動きを止めて「なんで？」と私を見た。

「門限あるから、こいつ」

「えっ」

驚いたように目を丸くして二宮さんが私を見た。

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