真夏の夜は貴方を想う1【SS】 (ページ8)

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生きてくページ8

何とか登校初日を終え、学校から帰るとまたすぐに家を出た。

アルバイトに行くためだ。

両親が離婚したから金銭的に余裕は無い。
お母さんはお父さんとは完全に縁を切りたかったらしく、養育費を貰うことを拒んだ。

私だって、私たちを裏切ったお父さんから
お金を貰って生きていきたく無かった。

だけど、パートをしているお母さんの収入だけじゃ生活できないのは目に見えている。
だから、私もバイトをすることにした。

バイト先のお店は小さなカフェだ。
小さくても外観はとてもお洒落で
メニューはどれも美味しそう。

1週間前に面接を受けに行くと、
ちょうどホールが足りていなかったらしく
即採用された。

聞くところによると、店長は元々イタリアン料理のシェフをしていて、今は独立してカフェを経営しているらしい。

店長の名前は松本さん。
初めて顔を見た時は少し怖い印象で、あまりの目力の強さに驚いた。

だけど、働き始めて3日目の今では最初の印象なんて
すっかり忘れてる。

そう、松本さんは実はとっても良い人。
優しくて料理が上手な超絶イケメンだ。