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愛だの恋だの ページ9
「お！Aちゃんお疲れ様。
そういや、初登校どうだった？」
店に着くと松本さんが聞いてきた。
「ん〜、まあまあですかね？」
「ハハハ、まあまあか。
ま、初日なんてそんなもんだよね
どう？友達はできそう？」
「あー、そういえばチョコ貰いました。」
あの子犬みたいな二宮君のことを言ってみた。
「チョコ貰ったの？なんだ、友達できてんじゃん。」
(ん？あれで友達になったの？)
「いやいや、たまたま隣の席になった男の子が
チョコを渡してきただけですよ？」
そう思った私はそのことを説明すると、
「へぇー、チョコねぇ。
もしかしたら、その子Aちゃんに恋
しちゃってたりして。」
なんて冗談を言って松本さんは笑ってる。
「いやいや、やめてくださいよ！
恋なんてそんな、私はしないですよ。」
「んー、そうでもないんじゃない？
恋愛なんてするもしないも自由だけどさ、
するしないなんて自分で決められることじゃないと
思うよ？」
(そう言われても、どういうことかわかんないよ…。)
お父さんのせいで恋なんてしたくないと思ってる私は、松本さんの言ってることが理解できない。
「ふふっ、まあAちゃんはまだ若いし、
愛だの恋だのよく分かんないかも知れないけど、
いつかきっと分かる日が来るよ。さ、そろそろ仕事
するよ！」
「あ、はい！」
恋は気づいたら始まってるんだよ。
松本さんはそう言ってた。
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作者名：cherrys | 作成日時：2020年12月31日 2時
