【黒バス】リアルゲーム【海常】 (ページ1)

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prologue ページ1

｢ｯ…はｯ…はｯ…｣

｢こっちだ！！！｣

大きなビルの屋上。
燃え上がる炎と、2つの人影。
そして、異型の化け物の黒い影。

グイッと彼女の細い腕が引かれ、壁の影へと身を隠した。
少女は酷く苦しそうな顔をし、その場へと座り込んでしまった。

彼女のライフポイントは残り２つ。
体力ゲージも回復が遅い。

｢先輩ｯ…残りの、時間はｯ…｣

｢……あと、十五分…ｯくそｯ…｣

腕の時計を確認すれば、レーダーの上に光る赤い点が徐々にこちらへと向かってきている。

｢このままじゃｯみんな……｣

｢…これ、お前に託すぞ。｣

そう言って、彼女へとマグナムを押し付けた。

｢だ、ダメです…！！！これしかないのに…！！｣

｢俺が囮になる。やられたらその時だ。チャンスを見つけて、撃て。｣

｢わ、私には…ｯ……。｣

｢大丈夫。お前ならできる。｣

彼女の頭を引き、抱きしめ、耳元でそう言った。
彼の声は、信じきっていた。

｢笠松先輩ｯ！！！！！！｣

走り出した彼のうしろ姿に、彼女は涙をこぼすばかりだった。