【歌い手】吸血鬼の館で家事、始めました。第1章【吸血鬼】

吸血鬼が45人 ページ47

「ん…？」


ガサゴソと何かの音で目が覚めた。

「あ、起こしちゃった？ごめん」



隣も見ると大きなダンボールを持ったそらるさんがいた。


あれ...いつ部屋に戻ったんだっけ...？

うらたさんに襲われてからの記憶がない。



「うらたがここまで連れて来たんだよ」

「な、なんで分かったんですか」



また心の中を読まれた...。


「いや、なんか難しそうな顔してたから」


そらるさんはダンボールを隅っこに置くと、私の近くに座った。


「どう？この館の構造とかわかってきた？」

うーん...どちらかと言えば


「あんまり、ですね」



「そっかぁ…まぁ、生活していくうちに慣れてくるよ」


多分一生慣れないと思います。






そこで会話は一時終了。


時計の針の音が部屋に響いた。



…ん？時計なんてさっきまでなかったぞ。

きっと誰かがつけてくれたのだろう。


.





「…そらるさんお腹空いちゃった」


「何ですかいきなり」


彼のマイペースな発言に少々ビビる。


「Aなんか作って〜。ほら、そろそろご飯の時間」



ふと新しい時計を見ると針は一を指していた。

…午後か午前か教えて下さい。


まぁ、多分午前だろう。こんなに長い１日だったのだから。


はぁ…眠くない…いったい何時間寝たんだろ。


「ね〜A〜ご飯〜」



「あー、はいはい。分かりました作りますよ」


隣で急かしてくる彼を流しながらベッドから降り、キッチンへ向かった。

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