【歌い手】吸血鬼の館で家事、始めました。第1章【吸血鬼】

吸血鬼が46人 ページ48

「お、おお…」



さっきまで何もなかったキッチンは今、あらゆる食材でいっぱいだった。


野菜もちゃんとある。


「あの、野菜とかも全部狩で取ったんですか？」


「うん。ちょっと行った所に大っきい畑があるからそこで取るの」


へー。畑まであるんだ。

あ、てことはここにある物全て新鮮って事だよね。

美味しいものが作れそうだ。



「何かリクエストとかありますか？できる範囲で作りますよ」


「うーん…じゃあリゾットで」


リゾットね。材料は十分あるからいける。


「了解です。あ、この館にいる人って確か6人ですよね？」

「うんそうだよ。じゃあ、よろしく。期待してるね」



謎のプレッシャーを残してキッチンを去ったそらるさん。



さて、作り始めるか。




引き出しからまな板やら包丁やらを出して料理を始める。


6人って事は…

るす、天月、そらるさん、うらたさん、坂田さん…


あれ、もう一人誰だ。


会ったことない人か…仲良く慣れたらいいな。


なんて考えながら私はのんきに料理をしていた。









.








「うらたさんまで洗脳するなんて…許せない。絶対殺してやる…」



階段に座るひとりの男。


金髪に高長身。牙は他のより長く鋭い。


「許さない…人間のくせして俺の仲間を奪うなんて、絶対許さない…！」




彼の瞳は殺意でいっぱいだった。

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