SEVENTEENの紅一点 3 (ページ11)

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First win ページ11

「SEVENTEEN『イェップダ』！おめでとうございます！」

司会の方のその言葉と同時に、スタジオ内はカラットの歓声で溢れかえる。
頭上からはヒラヒラと金のテープが舞い落ちてきて、わたしたちに降り注ぐ。

おめでとう、君たちが１位だよ！と後ろにいらっしゃったアーティストの方々に言われて、やっと自覚した。

わたしたちが、1位。

SEVENTEENが、1位。

「ヌナ、1位だよ！」

隣にいたチャニに肩を抱かれ、その勢いでトロフィーを受け取ったメンバーの輪に入る。

一気に脚から力が抜けて、初めて自分が緊張していたことを知った。ジャンプして喜ぶ子、肩を震わせて涙を流す子、みんな様々だ。

だけどわたしは、笑うことも泣くこともできなかった。

ただ呆然としてしまって、誰かがコメントを言っているけどそれもうまく耳に入ってこない。開いた口は塞がらない。きっとこの間抜けな顔のまま画面に映ってしまっているんだ。

デビュー曲は謙虚に行こう、でも次は絶対に、とみんなで決めたアッキンダのステージ。

7週連続で1位候補になったのに、結局一度も取ることのできなかったマンセのステージ。

サイン会をやると、時たま言われる言葉があった。

『次は絶対に1位になろうね』
『オンニが必ずAたちを1位にしてみせるよ』
『はやくトロフィーを受け取らせてあげたい!』

もちろんこんな優しい言葉ばかりじゃなくて、はやく辞めてしまえばいいのにとこっそり言ってくる方もいたし、わたしだけ飛ばして次のメンバーにサインを求める方もいた。

でもこういう言葉を聞くたびに、申し訳なくなった。

このグループが1位を取れないのはわたしのせいかもしれない、と誰に言われるわけでもなく心のどこかでそう思っていたから。