第三五話「負傷」 ページ36
「錆兎!」
俺は蝶屋敷のある一室に転がるように入る。そこには未だベットに眠る錆兎と、側には胡蝶がいた。
「ちょっと、冨岡さん?静かにしてもらえないでしょうか」
「…すまない」
俺は部屋に入り錆兎を見る。錆兎の左肩には何重にも巻かれた包帯と、輸血の為の点滴が錆兎に刺されていた。俺はその姿をみて眉を寄せた。
「未だ目を覚ましません。それにしても…珍しいですね。彼がこんな怪我を負ってくるなんて」
俺もそう思った。錆兎は未だ怪我をしたことがなかった。なのに今回は左肩を負傷した。錆兎の活躍は柱のみんなに轟くほどだったのに一体どうしたのだろうか。
「…ありがとう胡蝶。こいつを助けてくれて」
「!…いいえ」
俺は眠る錆兎を見ながら礼を言う。錆兎が怪我を負ったと聞いて恐ろしくなった。また置いてかれると思った。俺はもうこれ以上大切な人を失いたくない。
「彼の傷は浅いですけれど、しばらく放っておいたんでしょうね。出血しすぎて死ぬところでした。刀を握るのは多少難しいかもしれませんが、機能回復訓練をすれば問題ないでしょう」
胡蝶はペラペラと紙をめくりながら淡々と答えた。浅い傷?錆兎なら呼吸で血を止めれた筈だ。それをしなかったのは何故だ。
錆兎は俺に隠し事をしていた。それと何か関係あるのか?錆兎は見てわかるほど疲れきっていて、昼も夜も寝ずにずっと動きっぱなしだったに違いない。瞳の下には隈が目立っていた。
俺にも言えないことなのか?俺は、未だ弱いからなのか。
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❤︎ - 面白かったです〜!!!最後には少しうるっときました…笑もう3年も更新されていない事に驚きです。続きが気になる〜〜!!何年でも待つのでまた更新してくれたら私含め読者達ありがたいです!待ってますね。 (8月24日 21時) (レス) @page41 id: f6dfc22ed3 (このIDを非表示/違反報告)
チーズ - めっちゃ面白いです!!!更新待ってます!!!!!!!! (2022年3月22日 22時) (レス) @page41 id: 4673827fe0 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 続き!続きはどこ?!ねぇ?!((やかましい (2022年2月26日 21時) (レス) @page41 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
とうめい - 終わっちゃった〜…続きが気になります…更新待ってます!! (2021年10月3日 12時) (レス) @page41 id: 4fdb593f0d (このIDを非表示/違反報告)
りあむ(プロフ) - 終わり!?更新待ってます、、、 (2021年10月2日 20時) (レス) @page41 id: 5dcfb8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜餅 | 作成日時:2019年11月17日 20時