急接近 ページ27
ナルトは呆気なく倒された。
然しカカシ先生の攻撃の仕方はやはり大人という立場もあってか手加減を心得ているようだった。
私は木にくくりつけた縄で足を縛られ、宙ぶらりになっているナルトを見に行った。
「!あっ!A!!早く助けてくれってばよ!!」
「いいよ、わかった。でも今度は私の頼みも聞いて貰うからな?」
私はポーチからクナイを取り出して縄を切り落とす。
「それで、頼みなんだけど…」
「サンキューってばよ!!」
ナルトは話を聞かずに走って行ってしまった。
逃げたな。あいつ…。
然し、カカシ先生から鈴を取るにはそれなりの人手がいる。
私はナルトを説得することを諦めて少しは話の分かるサクラを探した。
サクラは、薄暗い日陰で倒れていた。
恐らく幻術にかかったのだろう。
「サクラ…!サクラ…!」
眠るサクラの肩を揺さぶる。
「ん?A?」
私は徐々に薄目になっていく彼女に安心して胸をなで下ろした。
「サクラ、今の私達じゃカカシ先生には到底勝てっこない。だから一緒に鈴取りに行こうよ。」
段々と表情が曇っていくサクラに私は焦りを感じた。
「ほ、ほら…その方が取れる確率も上がるし…」
「私、サスケくんを追いかけなきゃ…!」
サクラはそう言ってすくっと立ち上がったかと思うと「ごめんねぇ!Aー!!」と後ろ手に手を振って之また走り去ってしまった。
「またか…。」
最後の頼みの綱であるサスケを探しに動く私は(これは決して抜け駆けなんかじゃない!)と自分に強く言い聞かせていた。
サスケを見つけるのにはかなりの時間を要した。
さすが、サクラやナルト見たいな調子には行かないな。と思っていると、表にサスケの姿を確認した。
「!サス…!」
そう言いかけた私の口は瞬時に背後に移動したサスケの手によって封じられた。
「!はふへ…ははひへほ…!」
私は「!サスケ…!離してよ!」と藻掻くが彼はびくともしない。
それどころか「静かにしろ。カカシに気づかれる。」とより強く口を塞がれる。
ふわっといい匂いが鼻を掠めた。シャンプーだろうか?
私にとっては最早、カカシ先生に見つかるか見つからないかなんてどうでもよかった。
それより、今の体制がまるでサスケに後ろから抱き締められてるみたいで、耳のすぐ横にあのサスケの顔がある。それを考えると頭が沸騰しそうだった。
物理的に急接近した距離に今私の顔がロブスターより真っ赤になっていることはすぐ見当がついた。
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Caesar(プロフ) - マスラさん» コメントありがとうございます!なかなか更新出来ないのですが応援してくださる方がいると思うととても嬉しいです! (2018年11月6日 18時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - とても面白いです!続き楽しみにしています。お忙しいとわ思いますが、更新頑張ってください!(*^_^*) (2018年11月6日 16時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - ありがとうございます!!学生なのであれこれ大変ですが更新がんばります! (2018年9月10日 7時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2018年9月10日 3時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます!!この所旅行に行ってて更新出来ませんでした。すいません!!頑張って進めるようにしますね! (2018年8月18日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:julius | 作成日時:2018年1月1日 1時