森の中 ページ3
目が覚めると、そこは森の中だった。
ゆっくりと頭を抱えて立ち上がる。
「よいしょ...っと。」
何があったのか、まるっきり覚えていない。
ただ気づいたら、ここに居たのだ。
誘拐された可能性も考えて、辺りを用心深く見回すが、誰も居ない。
と、風が足元を吹き抜ける。
普通では有り得ない寒さと開放感に、足元を見た。
...靴がない。
スカートは所々破れていて、靴も履いていない。
一体全体自分の身に何があったのだろう...。
「参ったなぁ、こんな所に一人だなんて...。」
その時、遠くから人の声がした。
「！！」
突然のことに動揺した私は反射的に側にあった木の後ろに隠れる事にした。
その声は段々近づいてくる。
どうやら、歳をとった男女のようだ。
もしかしたら、誘拐犯が様子を見に来たのかもしれない。
こうなったら誘拐犯であれ何であれ、後から襲いかかって金を盗るしかないか...。
声がすぐその辺りまできた時、木の影から飛びかかろうとした。が、
ポキっ...
「？そこに誰かいるのかい？」
男の方がこちらに呼びかけてくる。
あと少しのところで、足元の小枝に気づかず踏んでしまったのだ。
こうなったら選択肢は2つだ。じっとしてるか、出ていくか。
ここは様子を見るためにもじっとしておきたいところだが、意を決して出ていく事にした。
どんな悪人面かと思って見てみれば、嫌に着飾った品の良さそうな老夫婦が立ち尽くしていた。
「あらまぁ...。森の中から女の子が...。」
お婆さんは口をパクパクさせ...
「そ、そうみたいだなぁ...。」
お爺さんも同じく口をパクパクさせている。
そのフリーズ状態だったお婆さんでさえも私の服装を見るや否やさっと我に返った。
「なんてひどい服装！！可哀想に...きっと酷い目に遭ったのねぇ？」
私はお婆さんの猫なで声に合わせる様な表情をとってみせる。
「あなた、お家はあるの？」
「その…今の所、ありません。」
嘘をつく必要もないためここは正直に答えた。
「そお...。なら、私達と一緒に来ないかしら？」
「そうだな。それがいい。」
少し考えた末、二人が悪い人達には見えなかったので、ついて行くことにした。
「え...本当に宜しいんですか？そうとあれば是非、御一緒させてもらう事にします。」
そう言ってうやうやしく頭を垂れるとお爺さんとお婆さんは「なんて可愛いらしい子！」と喜んでいる。
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Caesar(プロフ) - マスラさん» コメントありがとうございます！なかなか更新出来ないのですが応援してくださる方がいると思うととても嬉しいです！ (2018年11月6日 18時) (
レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
マスラ - とても面白いです！続き楽しみにしています。お忙しいとわ思いますが、更新頑張ってください！(*^_^*) (2018年11月6日 16時) (レス) id: 9b6ae3d64f (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - ありがとうございます！！学生なのであれこれ大変ですが更新がんばります！ (2018年9月10日 7時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
ブラピ - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2018年9月10日 3時) (レス) id: e896eb0a17 (このIDを非表示/違反報告)
Caesar(プロフ) - 深雪さん» コメントありがとうございます！！この所旅行に行ってて更新出来ませんでした。すいません！！頑張って進めるようにしますね！ (2018年8月18日 19時) (レス) id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：julius | 作成日時：2018年1月1日 1時
