さよなら、Dayflower【あんスタ】

65.決戦当日 ページ18

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そしてとうとう、『S1』当日。

私は『Trickstar』の最終調整





――をあんずに任せ、生徒会室で事務仕事に徹していた。
最終調整は、この2週間彼らにずっと寄り添ってきたあんずの役目。私ごときの役目ではない。

分厚い書類の束、その最後の1枚――もちろん隣にはまだ手つかずの山がある――に印を押した私は、大きく伸びをする。


｢んぐぐぐ、疲れたぁ〜！｣

｢すまんな、早くから手伝わせて｣


事務作業の手を止めないまま、蓮巳先輩が労ってくれる。超絶わかりにくいが、この人は基本、優しいのだ。


｢いいですよ〜。どうせ見回りの時間まで暇ですし、気も紛れますから。あ、お茶のおかわり淹れますね｣


先輩のお茶が残り少ないのを見て、私はさっそくお湯を沸かす。ふと時計を見ると、そろそろ会場の見回りに行く時間だ。お茶を淹れたら出発しないと。


眠くなりそうな春の陽気の中、私はそっとため息をついた。




−−−−




蓮巳先輩にお茶を出したあと、お盆を片付けて私は生徒会室を出た。向かうは『UNDEAD』と『2wink』の所だ。
誰もいない廊下をダッシュで駆け抜け……

……ありゃ、体力落ちたかも。


息を切らしながら講堂へたどり着くと、片手をひょいと上げて舞台袖を覗く。


｢よっ、諸君うまくやってるか〜？｣

｢おわっ!? ビビらすんじゃねーよ！ その腕章さっさと外せ！｣


あ、生徒会の腕章付けっぱなしだった。ごめん、ウルフ。


｢おお、来たか。ちと手間取ったがの、準備は万端じゃ｣


あら、朔間先輩がご機嫌だ。心なしか普段より活き活きしている。それに、あまり練習に来なかった羽風先輩までもがちゃんと来ていた。


｢あら、珍しいですね。羽風先輩が来るの｣

｢今日は『S1』だからね。むさ苦しい男じゃなくて外部の女の子たちが見に来てくれるんだし、当然でしょ？｣

｢……じゃあ『S1』で失敗しないためにも、練習ちゃんと来てくださいよ｣


まあ、皆いつも通りってとこか。


｢よーし、じゃあ最終確認しますか！｣




−−−−




『S1』で『Trickstar』の革命を成功させるにあたって、私は多くの作戦を立てた。



舞台袖の『紅月』が集合する側を調べて、反対側に『UNDEAD』らが集合できるようにしたり。


他の生徒会役員に『UNDEAD』らが鎮圧されないよう、自ら会場内の見回りを買って出たり。


そしてこの後、私は慌てた様子で『紅月』の皆の元へ駆けつけるのだ。
蓮巳先輩はまだ来ないから鬼龍先輩か神崎くんのどちらかに呼びに行ってもらえば、さらに『紅月』の戦力は半減する。

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