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嫉妬 ページ47

音葉 side


午後四時ごろ、Aに言われた廃ビルの屋上に来た。

Aは、もう来ていた。

Aの姿は、いつもと変わらない、黒パーカーにジーンズだった。

フェンスの上に乗って、歌を歌っていた。



「…来たね。まあ、何の用もないけど」

「A、聞いていい?」

「いいよ」



こっちを見ずにそう答えた。



「なんで衣玖乃ちゃんを傷つけたの」

「…あー…なんだろうね。嫉妬?かな」

「嫉妬で衣玖乃ちゃん傷つけたの?」

「そうだね」

「なんでそんなことしたんだよッ!」



流弥君が怒鳴った。



「…君にそれを言う資格があるの?

自分に重ねて怒鳴ってるだけじゃないの?

なあ、『狂気犯(クレイジークレイジー)』」

「ッ、どこでそれを知ったんだよ!」

「…二年前、嫉妬に駆られて彼女の近くにいる男性を殺害した。

だが情状酌量の余地があるとして、すぐに出た。

合ってるだろ?」



…知ってる。

ある女性の周りにいる男性三人を彼氏が殺害したという、恐ろしい事件。

その犯人は既に解放されたと言われている。

その犯人が流弥君…?



「…ところでさ、一回飛び降りってのやってみたかったんだよね。

まあ、飛び降りがどんなのかわかったら飛んで逃げるけどさ」

「なっ、待てよ!」

「待ってAッ!」



流弥君、宓、真昼君が急いでフェンスに行くも、間に合わなかった。

Aは、飛び降りた。

何秒経ってもAは飛ばなかった。

恐ろしい不安に襲われて、私は走って下に降りた。

でも、そこには。



「…っ、はあ、なんで…!?」



大量の血痕しか残っていなかった。

Aは、どこにもいなかった。

次々来た皆も、驚いていた。

血痕の中心あたりに、何か落ちていた。

…手紙…?


黒い封筒に入った手紙だった。

中をガサガサと見てみると、何かのデータと紙二枚が入っていた。


一枚目の紙には、此処に来い、という内容と地図。

二枚目は、何があっても私達を連れて行くな、という内容。Aの直筆だった。


データは、スマホに挿すとわかった。

動画だ。

再生すると、事件の全貌が明らかになった。



《…さて、衣玖乃ちゃん。

聞きたいことかあるんだよね》

《A様に聞かれたことならなんでも!》

《私達のもう一つの敵のことは話したよね?

その仲間、または脅されているというのが衣玖乃ちゃん。

そして、流弥だと思うんだ。どう?》



衣玖乃ちゃんの表情が硬くなった。

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作者名:リリムゥ | 作成日時:2018年1月26日 18時

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