ずっと、ずっと、君が好き。

#33 ページ40

再び、吐き気と頭痛に襲われ、そして



体が動かなくなってしまった。


ナースコールを押して、意識を失った。




「A…っ！！！A！！」


小瀧が叫んでる。それは、夢の中だけど。


抱きしめられる。


小瀧に、抱きついてみた。が、消えていく。




儚く、どこかへ行ってしまった。



私はそのまま、息をすることはなくなった。

亡くなってしまった。



小瀧に、重岡さんに、神ちゃんに見とられながら。


私は旅立った。後悔だけを残して。




あぁ、もう終わったな。

それだけを最後に感じながら。





小瀧side

(ここからはずっと小瀧です)



Aが急変した。重岡さんにそう言われた。

病室に行くと、重岡さんとAの親友。



親はいなかった。



「小瀧…Aに言う言葉は？」

重岡さんにそう言われた。微かに息してる。



もうそろそろ終わりそうなくらい微か。




「A…っ、俺な？楓のこと好きやない。

俺、もっと近くに好きな人おったんに。



A、告白されてからな気づいてん。

俺は…






Aが好きやねん。」


それだけはAに伝えたかった。

今は好きやから。大好きやから。



ただ、Aには聞こえてなくて。

そのまま、息をしなくなってしまった。



「A…？Aってば！！起きろって！」


重岡さんは、Aにずっと、叫んでる。


なんで、起きひんの？って。

親友の神山は死んだ顔をしてる。


「神山…A、もう起きひんの？」



「せやろな。でもな、笑ってるで」

微かに笑ってるように見えた。



重岡さんはずっと泣いてる。


Aは旅立った。

#34→←第五章 もう、逢えないね。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す