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Aがポートマフィアに入ってから2週間が過ぎた。檸檬爆弾が効かない彼にも、後の黒蜥蜴となる立原道造にも、芥川の妹である銀にも、中也の育て親である尾崎紅葉幹部にもひと通り会ってそれぞれと関係を持ち始めることが出来た。これも単に中也のお陰だろう。
中原と行動を共にするようになってから太宰も含め双黒と呼ばれる彼らと3人で行う任務、中原と行う任務、太宰の部下であり同僚と称された実は年下の芥川との任務、と三パターンの任務が増えてきた。
相変わらずAは太宰が苦手だがそれなりに信頼を置いているようである。
「太宰幹部〜困りますよこの報告書の溜め具合は〜」
太宰「五月蝿いなぁ。幹部だと多いんだよ判子の項目が特にね。君ら下っ端が中途半端な書類を作成するから」
「チェックをして判子をつくだけの報告書がれ出来ない太宰幹部はどのくらいの下っ端ですか〜?」
今日も相変わらずである。
Aは中原の書いた報告書のサインを太宰に貰うために幹部執務室に赴いていた。
太宰「私、幹部なのだよ?Aちゃん。君が中級構成員以下からどの様な存在として見られているか知っているかい?」
「他人の評価なんて知りませんよ。どうせ、『あの太宰幹部に物言い出来るなんてどれだけ強い男らしい人なンだ!』とかでしょう。」
太宰「ご名答!本当に君は中也に忠実に育ってきていて腹が立つよ。君も少しは女の子らしくしたらっ______痛いじゃないか中也。」
中原「だーからさっさと帰ってこいって言ったんだよ」
「げ、中也。」
太宰「やあ中也。相変わらず小さいねぇ!」
中原「黙れ青鯖、手前と構っている暇はねえよ。」
太宰「で、Aちゃん迎えに来ただけじゃないでしょ?何?」
太宰は察していると言わんばかりに目を細めた。
どうも最近はポートマフィアにいい情報が入らない。
「(不穏…というかなんというか)」
この頃ふとした時に太宰が悩んだような顔をするのが増えた。気付くのはAしかいないのだが。
中原「首領が呼んでるンだよ。早く来いと。」
太宰「ふうん…分かった。」
そう言い残して太宰は執務室を出た。
中原「ンだよ彼奴珍しいな」
「中也にちょっかい出さないんだね」
不思議に思いながらも中原とAは部屋を後にした。
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作者名:テオ | 作成日時:2017年7月13日 15時