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4話 ページ7

時刻午前8時過ぎ


ヨコハマの街に高く聳え立つ

幾つかの高層建築物





其れは所有者達の権力が

如何に強く強大かを象徴させ思い報せるには十分であろう






だから、一般市民は勿論の事


市警軍警は愚か




内務省異能特務課の人間ですら、迂闊には手を出せない状況下に有る





其れが


非合法犯罪組織ポートマフィア








構成員と関わりの有る人間に危害を加えようものなら


どんな報復が待っているのか…






人々は想像も出来ないし


想像したくも無いであろう








だから____









「ねぇお兄さん。
今私に“何て云った…?”」

「ひっ…!!」

「気安く其の薄汚い手で触れて
挙げ句、身分も弁えずデートしようだなんて…




巫山戯てるの…?」






例え相手が女であっても



決して油断し、見縊る事無かれ








「す…すすすすすみませんでしたっ…!!」

「……」

「俺が…否、僕が莫迦でした…!!
もう二度と莫迦な真似はしませんので、赦してくださいっ!!」

「……。

ねぇ…悪いけど喋らないでくれる?
薄汚れたモノから出てくる言葉なんて、耳障りなだけなの」







特に、長い金髪と


紫水晶(アメジスト)を思わせる瞳の女には御注意を…









「ご…ごめ、なさっ……」

「頭の悪い男。
今云われた事すら覚えられないの?」

「…っ」

「まぁ…
大人しくなった処で、どーでもいいンだけど」







其の瞳は闇よりも暗く






其の言葉は一瞬にして相手の体温を奪ってしまう冷気そのもの









正に、彼女の存在は






“狂気”なのだから









ドカッ…!!



「ひっ…!!」





情けない表情をした男の顔面スレスレに

何処から取り出したのかは不明だが、鉄パイプらしき物を振り下ろせば





男は小さく悲鳴を上げ、恐怖に耐えきれず尻餅を付いてしまった




其れでも何の容赦も躊躇いも無く冷たく男を見下ろす彼女の視線に、自身の精神の限界を感じたのか


男は悲鳴を上げ乍ら、覚束無い足取りで逃げ去った









「……気分悪い。ムカつく」





情けなく逃げ去った男の背中を見乍ら、彼女も機嫌を損ねた表情のまま



其の場を静かに立ち去った









.









「な…何だったんだ……今の…」




一部始終を、誰かに見られていたとも知らずに

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遥希 - 途中までですが、その場の情景描写が詳しく書かれており物語も私好みのものでとても面白かったです。機会があれば続きも何とぞよろしくお願いします! (10月31日 22時) (レス) @page8 id: cc14ef5361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朧月夜 | 作成日時:2019年1月11日 16時

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