[ブラコン]血が繋がっていても好きな気持ちは変わらない。

これはバッドエンド。 ページ6

侑稀side





バタン！





「はぁ…はぁ…はぁ…」





自分の部屋に入るまで全速力で走り、部屋に入った瞬間ドアに座り込んだ。


薄々気づいている。


これは嫉妬なんだと。


棗兄が絵麻ちゃんばっかり接しているからなんだと。


絵麻ちゃんは天使であたしの憧れている人…でも、絵麻ちゃんに嫉妬してしまう自分がいるんだ。


好きな人を取られてしまうことが何よりも怖いから。





「駄目だなぁ…あたし。」





他の兄弟なら別に仲良いいなと気にしないのに、棗兄の事になるとつい嫉妬してしまう自分がいる。


仕方ないよね。


だって棗兄の事がこんなにも好きなんだから。


いつの間にか好きになってしまったこの感情。


いけないとわかってるのにこの気持ちは掻き消されることはない。


ずっと棗兄の事を考えてしまう。


ずっと棗兄を見てしまう。


この気持ちのせいで何度悩まされたか数えきれないほどある。


兄弟に相談したくてもこんなの相談出来るわけないよ…





だって…





棗兄とあたしは…





血の繋がった兄弟なんだから。





血の繋がった兄弟を好きになるなんて普通はおかしいでしょ？


何度忘れたくても忘れられない。


だから棗兄を視界に入れなければいいとしか案が思い浮かばなかった。


だから棗兄とは視界にも入りたくないし、一番会いたくない。


本当は会いたい。


けど、我慢しないといけない。


だって会ってしまったら好きな気持ちが溢れてしまうから。





「なんで兄弟を好きになってしまったんだよ…」





普通の恋愛がしたい。


こんな苦しい思いをしたくない。


けど好きになってしまった瞬間、それが兄弟だとしてもすぐ忘れることは出来ない。


吹っ切れるまではずっとこんな苦しい思いをしなくてはならないんだ。





「もう…嫌だ。」





なにもかもこんな自分が大嫌い。


こんなの、バッドエンドみたいなもんだよ。

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