泡沫少女の泡沫ノ恋。【練紅覇】

第参拾捌夜・「突撃開始」 ページ46

窓の隙間から冬独特の寒く冷たい風がぴゅう、と吹いてきて僕の頬を撫でた。

その風は僕の赤髪を小さく揺らす―


僕らは今、煌帝国の北にある別城の地下四階のフロアに来ていた。

眼前に広がる長い廊下。

その廊下の最奥の部屋、"開かずの間"。


そこでAは、きっと―


きっと、僕らの助けを待っているだろう。



―行かなくちゃ。



「･･････行こう。･･･Aを助けに」

「「はい!!!!」」


僕の従者たち、協力してくれた白龍、白瑛、青舜、紅玉の声が重なった。

その声と同時に、僕らは結界への突撃を開始した。


魔装を身にまとった僕らは、作戦通り極大魔法を繰り出す。


紅玉は近くにあった窓を勢いよく開け放ち、南の方向を見て目を閉じた。

―空気がじとり、と湿気たような感覚を覚える。


「ジュダルちゃんに教えてもらったのよ･･･!! 水がない場所でも水を集める方法を!!!!」


どこからやってきたのか、その大量の水は宙を舞い、紅玉のもとへ集まる。


「悲哀と隔絶の精霊よ･･････
　汝が王に力を集わせ、地上を裁く大いなる激流をもたらさんことを！」


『極大魔法!!「水神召海」(ヴァイネル・ガネッザ)!!!!!!!』



紅玉が技を繰り出した同時刻―


白瑛は、タンッと軽やかに空中に飛び上がった。


『マグル・アル・ハザード!!!!!』


自身から下に巨大な竜巻を発生させた白瑛は、結界へ攻撃―



紅玉と白瑛が技を繰り出した同時刻―


『極大魔法!!!「降龍木蓮衝」(ザウグ・モバレーゾ)!!!!!!』


龍の形をした樹が展開。

白龍も極大魔法を繰り出し、その樹が結界へと突撃していく―



紅玉と白瑛と白龍が技を繰り出した同時刻―


「全員突撃開始ッ!!!!」


その合図と共に、従者たちや青舜が結界へと突撃。




紅玉、白瑛、白龍、青舜、従者たちが技を繰り出し突撃した同時刻―



「無情を刻む、圧殺の女王の嘆きに散れ･･･」




『極大魔法!!!!!「如意練鎚」(レラーゾ・マドラーガ)!!!!!!!!!!』



空中に巨大な魔法陣が展開。

紅覇も極大魔法を繰り出し、結界を壊そうと、重力で押しつぶす―




同時に攻撃。

それが作戦だった。


皆で同時に攻撃することによって、威力が増す。


僕はそれを狙っていた。



極大魔法が結界に衝突し、大きな爆発音を響かせる。

何年間も掃除をしていなかったせいでホコリが異常なほど宙を舞い、

視界が眩む。


やっと開けた視界の中、


結界は―――･･････

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あずきいろ

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