第参拾肆夜・「最後のお別れのような」 ページ42
「A」
ジュダルさんは真っ直ぐに私を見つめた。
私は、改めて名前を呼ばれて少し緊張し、体が強張った。
だけど、ちゃんと私もジュダルさんを見つめ返す。
ジュダルさんは、もう、悲しそうじゃなかった。
「好きだよ」
そう言って、ジュダルさんは優しげに笑った。
私の頭の上にのせていた手を降ろし、私を力強く抱きしめた。
なんだか、最後のお別れみたいに感じたから
抵抗はしなかった。
「Aと、短い間、一緒に居られて良かったよ。」
私の背中に回した手で私の背中をポンポンと軽く叩きながら、ジュダルさんは話しかけてきた。
「紅覇に会ったら、ちゃんと言えよ?」
「・・・何を?」
「・・・"好きです"って。まあ、フラレたら慰めてやっからさ、頑張れよ」
「・・・余計なお世話」
ふい、とそっぽを向くと、ジュダルさんは笑った。
それから、紅い目できょろきょろと部屋の周囲を見た―かと思うと、
「はあ」とため息をついた。
「あーあ・・・。結局A落とせなかったなあ〜・・・やっぱ俺、魅力ねえのかなあ・・・」
少し悲しそうに目を伏せ、笑うジュダルさんを見て思わず声をかける。
「そんなこと・・・ないですよ・・・。そんなこと、ない。
ジュダルさんにはジュダルさんなりの魅力がちゃんとあるよ。」
「ん・・・ありがと」
苦笑するジュダルさん。
いつもより元気がない。
どうして?
ラッキーカラー
あずきいろ
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玲琉.(プロフ) - ゆーかさん» 最初から見直してくれたの?!有難うー♪これからも頑張るね! (2014年3月30日 13時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - 玲琉.さん» 最初から見直したよ~!文字うちながら涙が。゚(゚´Д`゚)゚。これからも頑張ってねヾ(≧∇≦) (2014年3月30日 12時) (レス) id: d9ee154cee (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 一花さん» はじめまして!心情描写は一番気にかけて書いているものなんですよー(/ω\*)引き込まれただなんて・・・!応援してくださるなんて・・・!素敵だなんて・・・!私には勿体無いお言葉ですが凄く凄く嬉しいです!!続編も頑張りますね! (2014年3月16日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - はじめまして。心情描写が丁寧で、引き込まれ、一気に読ませて頂きました。凄く……凄く……紅覇様の想いに心を打たれまして……主人公ちゃんとの仲を応援したいと思いました。続編も楽しみにしています! 素敵な作品に出会えたことに感謝をこめて。失礼いたします。 (2014年3月15日 1時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» きゃー!!来てくれてありがとう!!感想聞かせてほしかったんだよねー♪いつも見てくれてるとか、感動的とか・・・もう嬉しすぎるっ!!応援もしてくれてありがとう!!続編頑張るね〜(`・ω・´) (2014年3月13日 17時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲琉. | 作成日時:2013年12月8日 15時