番外編此*夏祭り*。-九年前- ページ39
私は精一杯笑ってみせた。
まだ練習中だけど。
紅覇が屋台のおじさんに可愛く笑ってたみたいに・・・私も、真似る。
「紅覇がたすけにきてくれなかったら、もっと怖かったよ?
・・・紅覇が謝るひつようなんて、どこにもないよ・・・」
私は紅覇の右手をそっと取った。
私より大きくて、あたたかくて、優しくて・・・――
私を助けてくれた、大事な大事な 手。
その右手に一瞬だけ口づけを残す。
そしてまた微笑んだ。
「ありがとう」
そんな私を見た紅覇はかぁっと顔を真っ赤に染めると、たじろきながら
「ずるいよぉ・・・」
と小さく呟いた。
*
紅覇からもらった鬼灯色の提灯が
淋しいくらいに薄暗闇な湖を照らす。
どうやら私が紅覇を見失ったあの瞬間に、紅覇はこの提灯をとある屋台で見つけたらしく、
私に似合うと買ってきてくれたらしい。
私はそんな景色の中、湖のほとりに紅覇によりそって座り、
紅覇が買ってきてくれた林檎飴と綿飴を半分こしながら食べている。
林檎飴や綿飴に一緒にかぶりつくので、顔がすごく近くなる。
少し、恥ずかしかったな。
*
「あ〜! A、ほっぺにりんごあめのあめのカケラついてるよ〜?」
「え・・・?ど、どこ・・・?」
「ん〜・・・。あ、そうだ。A、じっとしててぇ」
「・・・・・・んっ。 よし、きれーにとれたよ!」
「紅覇・・・?! いま、な、な、な・・・舐め・・・?!」
「あははぁ、A、何てれちゃってんの〜?」
「むぅ・・・! 紅覇の、ばか。」
―――こんな楽しい日々が、ずっと、ずっと続けばいいのにな―――
*
.。o○ 番外編end. ○o。.
―作者の部屋―
番外編が無事終了致しました〜
いかがでしたか?
あ、もう一度言っておきますが、
主人公ちゃんは触れるだけで反応して声を出してしまう、
とても敏感な子なのです。
なんかやらしー声を出していますが、
作者の趣味だからじゃないのですよ!
紅覇「さぁさぁ! 次からは本編突入!
・・・僕の華麗なる登場を見逃さないでよねぇ?」
ラッキーカラー
あずきいろ
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玲琉.(プロフ) - ゆーかさん» 最初から見直してくれたの?!有難うー♪これからも頑張るね! (2014年3月30日 13時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - 玲琉.さん» 最初から見直したよ~!文字うちながら涙が。゚(゚´Д`゚)゚。これからも頑張ってねヾ(≧∇≦) (2014年3月30日 12時) (レス) id: d9ee154cee (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 一花さん» はじめまして!心情描写は一番気にかけて書いているものなんですよー(/ω\*)引き込まれただなんて・・・!応援してくださるなんて・・・!素敵だなんて・・・!私には勿体無いお言葉ですが凄く凄く嬉しいです!!続編も頑張りますね! (2014年3月16日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - はじめまして。心情描写が丁寧で、引き込まれ、一気に読ませて頂きました。凄く……凄く……紅覇様の想いに心を打たれまして……主人公ちゃんとの仲を応援したいと思いました。続編も楽しみにしています! 素敵な作品に出会えたことに感謝をこめて。失礼いたします。 (2014年3月15日 1時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» きゃー!!来てくれてありがとう!!感想聞かせてほしかったんだよねー♪いつも見てくれてるとか、感動的とか・・・もう嬉しすぎるっ!!応援もしてくれてありがとう!!続編頑張るね〜(`・ω・´) (2014年3月13日 17時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玲琉. | 作成日時:2013年12月8日 15時