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第玖夜・「交差する想い」 ページ11

また突然の告白に驚き、そして同時に頬が赤く染まった。

ジュダルさんはただ涙を流し続け、震える声で私に訴え続けている―

だけど、その内容がまったくもって理解できない。


「俺だって・・・っ・・・俺だってよぉ・・・」

「俺のことは綺麗さっぱり忘れてるのにさぁ・・・何で紅覇のことは覚えてるんだよ・・・」

「さっきまでだって、紅覇のことを想って泣いてたんだろ・・・?
 ・・・その目の下にあるアトが証拠だよ・・・」


とん、とジュダルさんは私の目の下を人差し指でおさえた。


「なぁ・・・教えてくれよ。お前の病って・・・お前のかかった伝染病ってどんなのなんだ・・・?」

「それは・・・教えないといけないことですか?」

「そりゃぁそうだろ。教えないと離れてやらねぇぞ?」

「・・・仕方ないですね・・・」

「・・・ん。離れてやる。」


のそりと離れるジュダルさんの体と体温に少し寂しさを感じた気がした。

私はため息をひとつつくと、自分の病について知っていることを全て打ち明け出した―


「まず・・・これを見てください。」

漆黒の着物をはらりとめくる。

着物の中からあらわれたのは、左足の太ももから足首までにかけて波紋のようなあざが

広がっている・・・ ・・・その、左足。

それを見たジュダルさんは驚いたように目を見開き、まじまじと私の左足を見つめる。


「あんまり・・・じっくり見ないでくださいね・・・いいものではないので」

「あ・・・嗚呼、悪ぃ・・・」


ジュダルさんは少し頬を赤く染めた。

そんなジュダルさんを構わずに話を進めていく


「これは、伝染病にかかった際にできる波紋のようなあざです。これが・・・

 これが体全身に広がると、死んでしまうのです・・・いや、"消えてしまう"の方が正しいか・・・」

「そしてこの病気にかかり、病気が進行していくと手足の先が氷のように冷たくなります」

「なので、真冬は私の最強の敵です」


「・・・ ・・・と、まぁ私が知っているのはこれくらいです。今度はジュダルさんの番ですよ」


そう言ってジュダルさんに話をふると、一瞬ポカンとした顔をした。

しかしすぐに理解したようだ。


「・・・俺が他にも聞いたのが・・・ ・・・いや、この前に聞いておくか・・・。

 なぁ、その"死んでしまう"じゃなくて"消えてしまう"の方が正しいってどういうことだ?」

第拾夜・「雪」→←第捌夜・「涙」


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玲琉.(プロフ) - ゆーかさん» 最初から見直してくれたの?!有難うー♪これからも頑張るね! (2014年3月30日 13時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーか - 玲琉.さん» 最初から見直したよ~!文字うちながら涙が。゚(゚´Д`゚)゚。これからも頑張ってねヾ(≧∇≦) (2014年3月30日 12時) (レス) id: d9ee154cee (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 一花さん» はじめまして!心情描写は一番気にかけて書いているものなんですよー(/ω\*)引き込まれただなんて・・・!応援してくださるなんて・・・!素敵だなんて・・・!私には勿体無いお言葉ですが凄く凄く嬉しいです!!続編も頑張りますね! (2014年3月16日 11時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)
一花(プロフ) - はじめまして。心情描写が丁寧で、引き込まれ、一気に読ませて頂きました。凄く……凄く……紅覇様の想いに心を打たれまして……主人公ちゃんとの仲を応援したいと思いました。続編も楽しみにしています! 素敵な作品に出会えたことに感謝をこめて。失礼いたします。 (2014年3月15日 1時) (レス) id: aa8e4f9320 (このIDを非表示/違反報告)
玲琉.(プロフ) - 紅凛檎さん» きゃー!!来てくれてありがとう!!感想聞かせてほしかったんだよねー♪いつも見てくれてるとか、感動的とか・・・もう嬉しすぎるっ!!応援もしてくれてありがとう!!続編頑張るね〜(`・ω・´) (2014年3月13日 17時) (レス) id: 7d3c1dd707 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲琉. | 作成日時:2013年12月8日 15時

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