▽平子の奥の手 ページ8
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ーAの入隊から数ヶ月、生真面目かつ鍛錬を欠かさないその姿勢から多くの隊士から信頼を寄せられ、文武共に実力を伸ばしていたー
ーしかしここ数日、Aに違和感を感じた1人の隊士が上司である平子の元に訪れたー
喜『お忙しい中時間を割いていただきありがとうございます。』
平『んや、ええよ。でなんや相談って。』
喜『ここ数日の、浦原三席のことです。』
平『.....場所変えよか。』
ー平子は喜納を連れて隊舎裏へと移動する。隊長として1人の隊士を贔屓するわけにもいかないが、平子にとってAは目を離すことができない存在であったー
ーそしてAを入隊前から知る喜納と甲牙は、そんな平子の気持ちを組んでか時々こうして話をすることがあったー
平『そんで?Aがどないしたんや。』
喜『実は、』
ー喜納の話によると、Aはここ数日上の空になることが多いと思えば何かを忘れるかのように業務に没頭することが増えたとのことー
ーAの過去を知る数少ない隊士だからこそ、甲牙と共に心配し、様子をうかがっていたとのことー
喜『余計なお世話だということは重々承知してましたが、やはり明らかに様子がおかしく何かあったのではないかと。
ただ自分達が声をかけてもAは"大丈夫です"との一点張りで。』
ー業務中は堅いものの、それ以外の際は"A"と"喜納さん、甲牙さん"と呼び合うほどの親しい3人ー
ーそんな2人に隠すのは相当のことだと平子は考え、深いため息をついたー
平『分かった。Aの件はこっちで何とかする。周りにとやかく言われんよう喜納はいつも通り接してくれ。』
喜『承知致しました。』
ー瞬歩で姿を消す喜納を見送ると、平子は伝令神機を取り出しある人物達に伝達を一斉送信したー
平『しゃあない。奥の手を使うか。』
ー小さいいたずらっ子のような笑みを浮かべながらー
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?『えぇ〜全員そろってないじゃ〜ん!待つの疲れた〜!』
?『肝心の真子も来てないね。』
?『アイツ、ウチら呼び出しといて"残業で遅れます"とか何やねんあのハゲっ!!』
?『もう先に始めちゃっていいんじゃねえか?』
『えっ......??』
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作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時