君消えたもうことなかれ (三)【BLEACH】 (ページ38)

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平『まぁ、俺らは気にならんとはいえ拳西の第一印象ってだいたい"厳つい人"か"怖い人"かの二択やからなぁ。』
鳳『根は優しいんだけどぶっきらぼうだしね。』
羅『目つき悪いしな。』
六『てめぇら....覚えとけよ.....』

一見ボロボロに言われっぱなしの六車隊長だけど最早慣れが勝っているのか、怒りよりも呆れの感情の方が伝わってくる。

『....でも、六車隊長の言葉に悪意も敵意も感じませんし....何かあった時に気にかけてくださる優しい方だと思います。』
六『......、』

六車隊長は目を見開いた後、すぐに目線を逸らされてしまった。気分を悪くさせてしまったかもしれないと平子隊長を見上げると、平子隊長は楽しそうに笑っている。

平『流石の拳西も耐えきれへんかったか笑。』
『私...もしかして六車隊長を怒らせてしまいました....？』
鳳『気にしなくてもいいよ。これ、拳西なりの照れ隠しだから。』
羅『純粋ってほど怖いもんはないな。』

珍しい一面が見れて思わず笑ってしまうと、乱暴に頭を撫でられる。でもやっぱり、

『(優しい人の手だな....)』

そう思っていると奥から何やら隊士の方がこちらへ近づいてくる。その方は手元に羽織に似た物を大切そうに抱えていた。

六『笠城、どうかしたのか？』
笠『例のアレが完成したので真っ先に六車隊長にと思いまして！』

男性の隊士の方が広げてみせたのは背中に"六車九番隊"と大きく書かれた特攻服の様なもので。それを見た瞬間空気が張りつめたように感じるのは気のせい.....？

六『笠城...なんだそれは....。』
笠『今回の調査任務！山本総隊長から六車隊長へ直々の任命ということなので六車突攻隊の隊長として統率のとれた九番隊、そして六車隊長の素晴らしさを『あぁもういい！』
六『てかまさかそれ着てくわけじゃねぇだろうな？！』
笠『もちろん！この日のために笠城、寝る間も惜しんで藤堂達のぶんも完成させました！』
六『はぁ？！』

近くで見れば見るほどとても男手一つで作ったとは思えないほどの完成度の高さに、感嘆の声が漏れてしまう。それに気づいたのか男性の方の目線が私へと向けられた。

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