▽出発前日 ページ37
.
『....平子隊長と藍染副隊長のこと?』
市『なんや、腹の底明かさんくせに変に鋭くてなんや蛇の睨み合い見とるみたいや。』
『(腹の底が見えないのはギンも一緒じゃ....)
でも、藍染副隊長ギンのこととても気にかけてるしそこまで警戒しなくても....』
市『.....Aちゃんは純粋やね。気をつけたほうがええよ。』
『え....?』
ギンはそう言い放つと足速に立ち去ってしまった。ギンは時々私と"誰か"を重ねているような目をする時がある。
少し複雑な気持ちを抱きながら再度足を進めようとすると、曲がり角の死角で思いっきし誰かにぶつかってしまう。慌てて距離をとると伝令神機を片手に持った平子隊長の姿があった。
『も、申し訳ありません平子隊長....!』
平『いやええよ。俺も余所見してもうとったし。てか丁度ええわ。Aのこと探しとってん。実はな、』
『(今日は人を探してる人とよく会うな...)』
平『A?』
『え、あ、な何でしょう?』
平『聞いてへんかったんないな!まぁええわ....このあと急ぎの仕事ってあったか?』
『いえ特には....』
平『ほんならちょっと付き合ってくれ。今からやったら間に合うやろ。』
『....?はいわかりました。』
平子隊長の後について向かったのは九番隊隊舎。隊舎の入り口ではなにやら人が集まっていて、その人達は私達に気づくとゆっくりとこちらに振り返った。
鳳『やぁ、真子も来てたんだね。』
平『そういうローズや羅武も来とったんやな。』
六『なんでこうも集まんだよ.....』
羅『まぁそう照れんなって。暫く任務で会えないんだからよ。』
『え、......?』
どうやら六車隊長は私がいたことに気づいてなかったのか、私の声に驚いた様子で目線を向けた後小さくため息をついた。
六『おい真子....なんでA連れてきた...』
平『んぁ?そんなん、Aが拳西に懐いてるからに決まっとるやろ。』
『え?』
平『え、ちゃうん?』
『あ、いやあのそうじゃなくて、なんかその六車隊長が人に懐かれにくいみたいな言い方だったのが気になって....』
『『(懐いてるのは否定しないんだね/のか....)』』
.
368人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時