▼もう一人の三席 ページ36
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藍『浦原三席、市丸三席を見なかったかい?』
『ギンですか?いえ....今日はまだ見てないですね。』
藍『困ったな....頼みたい仕事があったんだけれど。』
ギンは五番隊に新しく所属した同席の後輩。けど、真央霊術院を1年で卒業した天才と呼ばれていて、
『(”後輩”なんて、軽々しく接しにくいんだよな....)
私代わりに引き受けましょうか?』
藍『いや、今日は急ぎの書類もないし市丸三席に任せるよ。君に任せすぎると隊長から文句を言われかねないからね。』
そう言って藍染副隊長は職務室から出ていった。遠回しに”甘やかすな”って言われた気もしたが私も私の仕事を終わらすため、職務室を出た。
『そう言えばさっき伝令神機が鳴ってたけど、誰だったのか『わッッ!!』わぁあっ?!え、誰っ.....って!!
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ギン!いつも驚かすのやめてって言ってるよね....?』
市『しゃあないやん。Aちゃんめちゃくちゃええ反応してくれはんねんもん!』
『心臓止まるかと思った.....』
ギンは何故か私のことを姉のように慕ってこうして時々甘えたり、からかってきたりしてきて多分私がギンを後輩として接しにくいのはそれも理由に入っているんだと思う。
『そういえばギン、藍染副隊長が探してたよ?頼みたい仕事があるって。』
市『えぇーあの人が頼んでくる仕事難しいから嫌やわ。』
口調が似ているのもあってかギンと話していると何故か平子隊長の姿が浮かぶ。そんな自分に呆れていると、ギンは面白可笑しそうに笑っていた。
市『Aちゃんってホンマに一途やね〜。』
『え、何急に....』
市『えーやってAちゃんって平子隊長のこと好きで五番隊に『ギンっ!!!』
冗談やって〜ほんまAちゃんは揶揄いがいがあるわぁ〜。』
『お願いだからそんな冗談、平子隊長や他の方の前で言わないでね.....』
こうやってギンに振り回されるのは日常茶飯事。でも、”天才”という肩書が邪魔してまだ上手く馴染めていないギンがこうして甘えてきてくれるのに邪険に接することもできず、なんだかんだ相手をしてる私も私なんだろう。
市『....Aちゃんやから正直に言うけどボク、あの隊長も副隊長も苦手やわ。』
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作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時