君消えたもうことなかれ (三)【BLEACH】 (ページ35)

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▽ ページ35

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平『失礼しま『平子隊長！浦原三席なら奥で休まれてます！あ、人払いしておきますんでゆっくりしてくださいね！』

お、おぅ.....。』

ー平子が救護室に入るとあたかも平子が来るのを分かっていたかのように四番隊隊士が出迎えるー

ーAが休んでいるベッドまで近づくと隊士は人払いをし、姿を消してしまったー

平『Aー......はまだ寝とるか。』

ー窓から吹き込む風に揺られる様に眠っているA。平子はAが寝ているベッドの隣に置かれた椅子に腰掛けると、風に吹かれたAの髪をそっと撫でたー

平『怖い思い、させてもうてすまんかったな。』

ー後に聞いた話、平子はかなりの重症であったという。四番隊の人間ですらもう一足遅ければなす術無かったと話すほどー

平『昔より大きくなったとはいえ、ちっこいのぉ。こんなちっこい身なりでずっと戦っとったんかい。』
『......、ん、......』
平『A？』
『兄.....さ、ん.....』
平『....、』

ーここ暫く、Aは兄の話を一切することはなかった。多少の強がりもあるものの、平子はAなりに吹っ切れたと心の中でそう思っていたー

平『(そりゃ、そうやな。簡単に吹っ切れるわけないもんな。たった一人の兄やのに。)』

ーかつて自分自身がAに投げた言葉の重さをしみじみと感じながらAの浮かべた涙を拭いとると、自然と涙は止まったー

平『(隊長として部下1人に入れ込むんは良うないことやってわかっとるけど....)』

ーそれはまるでー

平『俺が側におる間だけでも、寂しい思いさせたないわ。』

ー平子が側にいることに安心しているかのようだったー

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清『失礼します。平子隊長まだ浦原三席のことにいらっしゃいますか？先程藍染副隊長が探されて.....』

ー四番隊副隊長、山田清之介が救護室に平子の元へ訪れるもすぐに言葉を発するのをやめ、引き返すー

清『今日だけは、目を瞑っておきますよ。平子隊長。』

ー静かな救護室、その一室には優しい風に包まれながら眠っている2人の姿ー

ーAは自身より大きな手に包まれ、嬉しそうに眠っていたー

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