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何があったかなんて確認できる余裕はなかった。いや、確認する必要なんてなかった。確実に1つ分かるのは、
『(早く手を打たないと.....手遅れになるっ......)』
止血されているとはいえ傷は大きく開いたまま。また出血し始めるのは時間の問題。傷口に手をあてて霊圧を集中させる。四番隊の人達に比べたら治癒能力も治療速度も劣る、劣るけど、
"無理せんでええ。寂しかったら寂しいって言い"
『嫌だ.....っ、平子隊長っ....』
自分の中で、霊力があふれ出していく様に感じた。どんどん、あふれ出して限界なんて感じないほどの力が。
喜『A.....？』
甲『A、あまり無茶すんじゃねぇぞ.....っ！』
『......っ、もう....1人は嫌......っ！』
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遠くに、平子隊長がいた。
声をかけても、平子隊長は振り返ってくれない。
"平子隊長っ......！待ってください！！"
叫んでも、走っても、平子隊長は立ち止まってくれない。
どんどん背中が遠くなる。
"平子隊長っ！！"
『........っ、！！』
卯『目を覚まされましたか？』
『卯ノ花隊長.....。』
卯『まだ、起きてはいけませんよ。かなり危険な状態まで霊力を消費続けていたんです。暫くは安静にしていてください。』
ぼんやりとした意識で重たい頭を動かして周りを見渡す。卯ノ花隊長はそれに気づいたのか、ゆっくりと私の側へと近づいて声をかけた。
卯『平子隊長なら、大事に至りませんでしたよ。』
『本当ですか....？』
卯『はい。念の為、山田副隊長にも診察させましたが、大きな問題はなく今山本総隊長の元へ向かわれてるかと。』
『そう....ですか.....良かった......。』
まだ回復しきっていないのか、それとも安堵からなのか、瞼がまた重くなってくる。目元を覆うように卯ノ花隊長の手が翳され、そのまま身を委ねるように、目を閉じた。
喜『......、』
甲『どうする気だ今回のこと。平子隊長に伝えるのか。』
甲「A？！しっかりしろ！！A！！」
浦「.....っ、！A！！」
喜「貴方は....浦原隊長？何故ここに？」
浦「僕のことよりもAをっ！！」
喜『...確証がありません。平子隊長も全回復はされていない状態で話すべきではないでしょう。』
甲『...同感だな。』
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作者名：とり天 | 作成日時：2023年8月15日 16時
