▼胡蝶蘭の花言葉 ページ25
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書類仕事を終え一息つこうと執務室から出ると隊首会から戻ってきた藍染副隊長と遭遇する。どこか気まずくなりながらも挨拶すると、藍染副隊長から呼び止められた。
藍『浦原三席今いいかい?』
『は、はいっ!』
藍『三番隊に書類を届けてほしいんだけど頼めるかい?平子隊長がいつ戻ってくるか分からないから不本意だけど進めないといけない仕事もあるからね。』
『平子隊長....どうかなされたんですか?』
藍『猿柿くんに連れていかれたよ。すごい剣幕だったから引き止めるのも気が引けてね。』
思わず"あっ..."と声が漏れてしまった。
隊首会の前日、平子隊長が懸念を抱いていたことがまさかこんなにも綺麗に的中してしまうとは。
『(平子隊長には申し訳ないけど....無事に怪我なく帰ってこれることを祈っておこう....)』
藍『そんなに重要な書類じゃないからもし三番隊の鳳橋隊長がいなかったら副隊長の射場副隊長に渡しておいてくれるかな。』
『はい。それでは行ってきます。』
藍染副隊長らしい綺麗に整理された書類の束を抱えて三番隊隊舎へと向かう。端から端まで慣れている人でも半日以上もかかる広さの瀞霊廷。比較的近い三番隊隊舎もやっぱり少し距離がある。
暫く歩いていると誰かが揉めあっている様な声が聞こえてきて、巻き込まれないよう遠回りしようとすると
"なにすんねんひよ里!!"
聞き覚えのある声と名前に思わず建物の影に隠れてしまった。
猿『お前.....おの男のこと知っとったんか!?』
平『はぁ?!話が跳躍し過ぎて何も分からんっちゅうねん!もっと分かりやすく話せや!』
猿『分かるやろ!オマエがハゲでアホなだけや!』
『(あの男.....?誰のことだろう....ていうかこれ完全に盗み聞きだし早く離れよう.....)』
偶然とはいえ流石に盗み聞きするのに気が引けて足を進めようとすると、
猿『新しく来た浦原喜助っ奴はAの兄貴ちゃうんかって話やっ!!』
『......、!』
平『確信もないのにデカい声でんな話すんなや!変に広まったら収集つかんくなるやろ!
.....俺もあの男のことは知らん。そもそも二番隊にどんな奴がおるなんて俺が一々把握してるわけないやろ。』
猿『ほんまやな....?もしなんか隠しとったらその面蹴り飛ばすからな!』
あまりの衝撃に、時が止まったように放心状態でその場で立ち尽くすことしか出来なかった。
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作者名:とり天 | 作成日時:2023年8月15日 16時